16人目のチベット人焼身自殺 警察当局と抗議者が暴力衝突

2012/01/16
更新: 2012/01/16

【大紀元日本1月16日】中国では14日、チベット人の焼身自殺事件が新たに発生した。警察当局は、自殺者の身柄を取り戻そうとする数百人のチベット人と暴力衝突した。

ボイス・オブ・アメリカ(VOA)はインドのチベット亡命政府からの情報として、本件を報道した。それによると、自殺者は男性で、現場は四川省アバ県の重要寺院・キルティ僧院の付近。警察当局は死亡した可能性のある自殺者の身柄を押収した。数百人のチベット人は警察局に集まり、その身柄の返還を求めた。警察当局がその要求に応じないため、双方が衝突した。

現時点において、この自殺者の生死は不明である。

国際人権団体「フリー・チベット」は目撃者の証言として、現場は非常な恐怖に陥り、警察側は催涙ガスなどを使用し、多くの人は倒されて暴行された上強制連行され、「少なくとも、女性1人が同衝突で殴り殺された」と公表した。

2011年3月から、深刻化する当局の宗教弾圧に抗議するため、計16人のチベット人が中国で焼身自殺を図った。そのほとんどはラマ僧と尼僧で、2012年に入ってから焼身自殺を図ったのは4人だ。

米国国務省の報道官は9日の定例記者会見で、後を立たないチベット人の焼身自殺事件に「強い関心を持っている」と示し、「米国政府は絶えず、中国政府にチベット人焼身自殺の問題を直に提起している。これらの自殺行為が示すのは、中国政府の人権・宗教の自由への厳しい圧制に対する強い怒りである」と述べた。

米国側の反応について、中国政府は反論した。

中国外交部の劉為民・報道官は11日の定例記者会見で、米国が宗教事務を利用して中国の内政を干渉するのを、中国政府は断固として反対すると述べた。

「わが政府は、宗教の自由を含めて各民族の各種の基本権利を非常に重視し守っている」と同報道官は強調した。 

(翻訳編集・叶子)