【特別報道】真相こそ道しるべ 歴史の変化は目の前に 前半

2012/03/26
更新: 2012/03/26

【大紀元日本3月26日】最近、中共指導部では、王立軍薄熙来の事件をめぐり、激しい内紛が繰り広げられている。この過程で、指導部の政治運営の方式がさらけ出されただけでなく、法律を凌駕する政法(公安、司法)委という組織の正体と、法輪功に対する迫害の真相も明るみに出た。中共指導部はいかにこの事件を対処するのか、中国社会がどのように動くのか、国際社会に注目されている。実は過去の12年間に、法輪功に対する迫害の問題はすでに中国社会の核心問題になり、中共当局の上層部もこの問題をめぐって大きな亀裂が生じている。

 法律を凌駕する特権組織―政法委

1999年から、中共の前国家主席江沢民が法輪功を迫害して以来、この国民も理解できない、理不尽な迫害を維持していくため、江沢民は政法委の権力の強化に精を出した。政法委はもともと党内情報、治安、警備、強制労働、司法、検察などを管理する部門だったが、江沢民政権の時期には政法委の権力が大きく増幅され、中央政法委書記も政治局常務委員まで昇格された。最高裁判所、最高検察院、公安部、中共中央宣伝部、外交部などの部門をも指示、命令できるようになった。

さらに政法委は武装警察の力を大きく増強して、軍部に対抗できる武装勢力に成長させ、「中共の第二の権力中央」といわれるほど、権力を強めた。かつて喬石が政法委の書記だった時代、武装警察は公安部傘下にあり、十数年間に1回しか武装警察を出動させなかった。しかし、江沢民の腹心である周永康が政法委の書記になってから、年間15回も武装警察を出動させるようになり、兵力の動員規模はますます拡大した。各地方の政法委も強制立ち退きから会議の警備まで頻繁に武装警察を出動させている。政法委の権力は膨張し、もはや無法状態にまで達している。

 江沢民は法輪功の迫害にかかわった人だけ信頼する

長い間、江沢民氏は自分が犯した罪が問われることに恐れ、法輪功の迫害に加担した人だけを信頼し、部下に置いた。そのため、彼は中共内部のルールを無視して最高権力を一手に掌握し、自分の腹心と迫害に尽力したものを上層部に入れ、政法委の権力を握らせることによって迫害を維持してきた。部下の配置は、時に武力を持って強引な方法で行われた。

 法輪功に被った濡れ衣

このようにして築き上げた体制下で、江沢民は1億人に上る法輪功学習者に対して、「名誉を地に落とし、経済力を破綻させ、肉体を消滅させる」という残酷な迫害政策を実施してきた。迫害が及ぶ範囲の広さ、動員した資源の多さ、迫害の残酷さ、誹謗中傷の卑劣さはいずれも、歴史上、未曾有の規模である。法輪功を迫害するために江沢民は国の宣伝機関を総動員し、数多くの虚言を作った。その中によく知られているのは、「1400例」と「天安門焼身自殺」である。

 「1400例」は何を語ったのか

1999年に迫害が始まった時、「法輪功を修煉することによって1400人が亡くなった」と盛んに宣伝された。実際、この1400例の中に、脅迫と利益の誘惑などの手段で、法輪功を修煉したことのない人の死亡例を「法輪功が原因だ」などとした例もあれば、精神病患者を利用して数に加えた例もある。さらに医療費の特別免除を売りに、真相の分からない人を買収してでっち上げた例もあれば、迫害によって亡くなった法輪功学習者の例も含まれている。

報道されたこの「1400例」に関して、第三者の調査が許されず、法輪功学習者の事実説明も許されない。しかし、たとえこの「1400例」は真実だとしても、迫害が始まった時、全国で法輪功の学習者がたった200万人しかいないと中共当局は宣伝していたが(実際は1998年に政府が公表した統計では、法輪功学習者は全国で約7千万~1億人いるとされていた)、これで計算すると、法輪功が伝え出された1992年から迫害が始まった1999年までの7年間に、平均1年につき200人死亡したことになる。そうなると毎年の死亡率は1万分の1となる。

『中国統計年鑑1996』の統計では、1990年~1996年の7年間で、全人口の年平均死亡率は1万分の66であり、先ほど試算したいわゆる「法輪功修煉者の死亡率」を大いに上回っている。更に国内の医学専門誌に掲載した文章からの統計では、入院患者の中、薬物の不良反応による死亡率は少なくとも1万分の24に上り、これもいわゆる「法輪功修煉者の死亡率」の1万分の1よりはるかに高い。というわけで、百歩を譲って「1400例」がたとえ真実であっても、かえって法輪功の病気治療と健康保持の奇跡的な効果が証明されたことになる。

 「天安門焼身自殺」の真相

2001年に「天安門焼身自殺」という事件が起きた。あの時期、法輪功に対する迫害はすでに国民にされず、多くの人々は法輪功学習者に同情を寄せ、迫害を維持することが難しくなった。この局面を打破するために、迫害の主導者の一人、江沢民の腹心である前政法委書記の羅幹は卑劣な手段を使って自作自演で「天安門焼身自殺」という事件をでっち上げた。しかも、この事件の参与者の一人がその場で殴り殺され、その罪を法輪功に被せた。狙いはこの恐ろしい事件を利用して、国民の法輪功に対する同情を恨みに変え、人々に法輪功に憎悪の念を抱かせようとしている。

しかし、この焼身自殺の現場録画を検証してみれば、幾つかの疑問点が現れた。

1、焼身自殺を図ったうちの1人である劉春玲は、焼死ではなく、何者かに棒状の鈍器で後頭部を強打されたため、死亡した。

2、また、他の焼身自殺者である王進東は、衣服が燃え焦げたが、燃えやすいはずの髪は整ったままで残っていた。しかも、組んでいた足の間に置いたガソリンの容器として使われたペットボトルは、炎に包まれたはずだが、完全にその形を留めていた。

3、広範囲のやけどを負った若い女の子の劉思穎は、呼吸を維持するために気管を切開されたが、4日後にはメディアのインタビューで話したり、歌ったりしていた。

4、北京の積水潭医院は、自殺を図った人々の火傷を治療した際、感染症の予防措置を取らず、やけどした部位を包帯で幾重にも包んだだけだった。これは医学の常識に反している。

5、中央テレビと新華社の報道の中で、それぞれ違う「王進東」が現れた。「法輪功迫害追跡調査国際組織」は台湾大学声紋分析実験室に依頼して、それぞれの声紋を分析した結果、異なった報道番組の中で出た「王進東」は同一人物ではないことが分かった。

その他に、アメリカ「ワシントンポスト」紙は2001年2月4日付のトップニュースで、「焼身自殺で中国の黒幕は明らかになる-焼身自殺の目的は法輪功に対する闘争を強めるため」というタイトルで、同紙記者フィリップ・パン氏の調査報告を掲載した。

同記者は自ら「焼身自殺」事件中で死亡した劉春玲が生前住んでいた河南省開封市で現地調査を行った。隣人の話によれば、彼女は開封市出身ではなく、ナイト・クラブで仕事をしていた。彼女は日ごろ、母親と幼い娘を殴るなど暴力を働いていた。また、誰一人として劉春玲が法輪功を練習した姿を見たことがないということが、パン氏の取材で明らかになった。劉春玲の行為は、倫理道徳を重視すべきであるという法輪功の修煉要求に基づいていない。

香港雑誌・開放2001年4月号の報道によると、「内情を知る人の話によると、国家安全部はすでに天安門焼身自殺事件を画策したと認めた。準備段階から、すべてのことは全部政法委書記である羅幹の指示を受けた国安部が段取りし、参与者の行動はすべて国安部の指示、監督の下で行われた」という。

 残酷極まりない迫害

法輪功修煉者に「真・善・忍」に対する信仰を放棄させるために、警察当局は40種類以上の残酷極まりの拷問方法を使用した。なかには、法輪功修煉者から臓器を摘出し、売買するという内容も含めている。

警察が使用したすべての拷問方法はいずれも肉体の極限を超えたものだ。多くの法輪功学習者は中国の労働収容所、看守所を「地獄」、「悪魔の巣」と呼んでいる。長時間にわたる睡眠の剥奪、殴打、電気ショック、強姦、輪姦などの性虐待、強制的な食事の注入などの体罰は日常茶飯事のように行われている、その他に中枢神経を破壊する薬物の注射、長時間鉄製の椅子に縛り付け、体を「大」の字にして長時間に板に縛り付け、拘束衣、掘った地穴に入れ込む、水がたまった地穴に入れ込む、両手を背中に縛って吊り上げる、唐辛子入りの水を口から注入、高濃度の塩水を口から注入、糞便を溶かした水を口から注入、極寒の天候に外に立たせたり、酷暑の天気に体を日に晒し、縛り付けて蚊や毒虫に咬ませ、電気を通している鍼で体を刺すなどの拷問手段が普通に使われている。

著名な人権弁護士の高智晟氏は自ら法輪功学習者に対する迫害実態を調査したうえ、胡錦濤と温家宝に公開状を発表した。これによって、高弁護士自身も拘束されて残酷に拷問されたのち、現在行方不明のままである。高弁護士に対する迫害は政法委書記の周永康の指示によって行われたという情報もある。

 法輪功学習者から臓器狩りの罪悪

過去10年間に中国の臓器移植手術が急増してきた。その一つ不思議な現象としては、他の国では患者に適合する腎臓や肝臓を見つけるのは通常、数年をかかるのに対して、中国大陸ではただの数週間で見つけることができる。

これについて、国際医学専門家の分析では、中国大陸に莫大な闇の「生体臓器倉庫」が存在しているに違いない。つまり、血液検査などのデータがすでに揃った膨大な「臓器提供者」が存在しており、移植臓器が必要な時に、事前登録した「ドナー」から適合者を見つけて、その人を病院に運んで、その臓器が摘出されることになる。中国臓器移植手術が急増したこの時期は、ちょうど数多くの法輪功学習者が逮捕され、監禁され、行方不明になった時期と重なっている。

2006年、カナダの人権弁護士デイビッド・マタス氏とカナダ前国会議員、人権活動家のデイビッド・キルガー氏は「法輪功迫害真相調査連盟(CIPFG)」から依頼を受け、中国で行っている法輪功学習者への迫害に独立調査を行った。両氏の調査結果によれば、中国で行った臓器移植手術の中で、少なくても4万例移植臓器の出所は説明できないという。50項目以上の証拠をまとめて分析した結論は、中共当局は政府、軍隊、病院などを利用して、個別的ではなく、広範囲に監禁されている法輪功学習者から臓器狩りを行っている、という阿鼻叫喚の内容だった。残忍極まりない迫害は、今もなお続いている。

マタス弁護士は記者会見の際、「これは地球上において前代未聞の邪悪行為である。これはすべての中国人のみならず、全世界の人々の良知に対する挑戦でもある。この事件を知っているすべての人々はみな立ち上がって制止する責任がある」と述べた。

最近、関連の証拠から、重慶事件の中心人物である王立軍は直接、臓器狩りに関与していることが分かった。公表された王立軍の履歴の中に、臓器移植の研究歴が含まれている。これは、彼の学歴や公安局長の職業にまったく関係ない経歴である。情報によると、遼寧省瀋陽市労動教養所で行った臓器狩りは2001年から始まり、2002年にピークに達したという。当時の遼寧省長は薄煕来だった。薄煕来と王立軍は、遼寧省に在任していた時から、すでに法輪功学習者に対して残酷な迫害を行っていた。

 迫害は海外まで広がる

法輪功に対する迫害は中国大陸だけではなく、海外において、中共は国家安全部門の諜報ネットワークを利用し、更に海外の暴力団体を買収し、法輪功学習者に対して嫌がらせ、尾行、恐喝などして、民主国家の社会安定に悪影響を与えてきた。香港、シカゴ、ニューヨーク、南アフリカなどの各地で法輪功学習者が攻撃される事件は後を絶たない。また中共は、大金を使って外国の政治要人を買収して、迫害のことに沈黙するよう要求した。

(後半へつづく)

(翻訳・牛彬)