【大紀元日本7月23日】周永康氏や曾慶紅氏らが強大な影響力を持つ『環球時報』の傘下にある「環球ネット」は7月17日、「海軍少将、中国海軍はなお強大にならず、日本を追い越したとは言い難し」と題した記事を掲載し、時局に反動したものとして、注目されている。この記事は、掲載後まもなくサイトから消去された。
報道によると、元海軍装備技術部鄭明部長が南京で、記者のインタビューに応じ、「海上で法権執行を行う中国の関係機関の船舶と海軍は近年、装備を更新し、かなりの進歩を成し遂げた。しかし、日本を追い越したとは言い難い」とし、「海上での法権を守るなどの能力において、準軍事部隊である日本海上保安庁は、長い歴史を有し、艦船の排水量、艦船の速度、機動性などに優れ、訓練も充分に行われている。船上には、ヘリコプターも配備しており、その実力は長い間、我が国の公務船舶を上回っている」と見解を述べた。
そして同氏は、「海上でいざとなれば、中国は人間を頼りにする。中国の海上法権を守る人員と海軍は死を恐れず、祖国の海域を守る能力と水準があると信じている」、「近年、中国海軍の装備は順次更新され、技術も近代化へと進歩してきた。しかし相対的には、その発展は日本を全面的に越えているとは言い難い」と付け加えた。
上記内容を「環球ネット」が報道する前の7月6日、次期指導者の習近平国家副主席は、「世界平和シンポジウム」において、「国家の主権、安全、領土をしっかり守る上で、われわれは近隣諸国との関係や地域の安定を維持する」と述べた。
翌7日、中国解放軍の機関紙『解放軍日報』は、習近平国家副主席の発言を紹介し、「日本は釣魚島(尖閣諸島)問題で挑発的な行為を即時止めるべき」と強調した。その後、中国海軍は東シナ海で軍事演習を行ったが、それも日本に対する警告だと思われる。
人事や政権交代の敏感な時期であるだけに、「環球ネット」の上記のような時局に背いた言論は、中国問題の専門家たちの注目を引いた。
米国ワシントンの中国問題専門家石藏山氏は、「この時期に、このよう報道が掲載されたのはきわめて尋常ではない」と見ている。同氏は、「先ず、評者は、元海軍装備技術部部長として、自分の元職務領域を超え、船舶の状況について評したことは、ごく異例である。また、解放軍の装備は日本に劣り、死を恐れないことに頼るしかないとも述べた。言い換えれば、一旦東シナ海で有事となれば、多くの人が死ぬことになるというわけである。これは、あきらかに習近平氏の「主権維持論」に水を差したものであった。すなわち、主権維持の結果は、多くの人が死亡するという構図である」と指摘した。
また同氏は、「周永康氏や曾慶紅氏らが強大な影響力を持つこの「環球ネット」があえてこのような発言をしえたのは、劣勢にある彼らが時局を掻き乱そうとしたものとしか考えられない。掲載後、間もなくして消去されたことからも、その時局撹乱の意図が証明されたし、それにもたらされた結果も厳重なものになると思われる」と分析した。
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