南シナ海の緊張が高まっている。写真はPhan Vinh島を警備するベトナム兵士(AFP)
【大紀元日本12月6日】ベトナム国営メディアは4日、来年1月25日から、ベトナム領海内で違法操業する外国漁船を取り締まる「特別部隊」を配備すると発表した。インド当局も3日、南シナ海での油田開発権益を守るために、軍艦派遣もありうるとの意思を示した。南シナ海の領有権をめぐる各国の対立が深まっている。
ベトナムの特別部隊の配備令は11月29日付となっている。同日に中国は、海南省管轄海域に侵入する外国船舶への取締りを強化する政令が11月27日に可決されたと発表。この政令は来年の1月1日から実施され、不法侵入と中国側が判断した外国船舶に対し、公安当局による立入検査や船舶差し押さえなど、厳格な取り締まりが行われるという。
また、ベトナムの政令に反発するためか、翌30日には、中国漁船がベトナムの石油探査船のケーブルを切断していた。
中国の強硬姿勢にインドも懸念を示している。インド海軍トップのジョシ参謀長は3日、インド石油ガス公社(ONGC)の南シナ海における開発事業にかかわっていれば、必ず自らの権益を守ると強調し、艦隊派遣の用意はできていると述べた。
中国とベトナムが相次いで新政令を定めたことにより、今後、係争海域でのトラブルが避けられないと専門家は見ている。それにインドが加われば、同地域の緊張がさらに高まる可能性もある。
(翻訳編集・余靜)