【大紀元日本12月17日】山西省晋中市の裁判所は13日、同省政府幹部の自宅から1078千万元(約1億4400円)を盗んだとして、2人の容疑者にそれぞれ猶予つき死刑と無期懲役の判決を言い渡した。この窃盗事件をきっかけに同幹部の汚職が発覚し、1年の党内観察処分となったが、汚職幹部への手ぬるい処分に市民から疑問の声が上がっている。
昨年11月12日、同省最大の国営企業である山西焦煤グループの白培中会長の白氏の妻が警察に通報、「現金300万元(3600万円)を泥棒に奪われた」という。容疑者2人はほどなくして逮捕された。取り調べの結果、2人は外貨を含む現金、金塊やブランド時計・ジュエリーなど総額1078万人民元(約1億4400万円)を盗んでいた。インターネットでは、被害額は5000万元(約6億5000万円)に上ったとの情報も伝わっている。
裁判所側は盗まれた品の内、994万元(約1億3300万円)が会長夫妻の財産だと認定し、残りの84万元(約1120万円)が出所不明だと判断した。
年間売上高1000億元(約1兆3000億円)の山西焦煤は12の子会社を持ち、101カ所の炭鉱を管轄する同省の国有企業。フランスのRFIラジオが地元関係者へ取材したところ、白会長クラスの国有企業幹部ならば相当の蓄財が簡単にできるという。
今回の裁判では汚職より窃盗のほうが罪がはるかに重いと判断された。「同じ人間なのに、なぜこんなにも違うのか」と嘆くネット利用者の声が寄せられている。また、被害額のほとんどが私財として認定されたことや、84万元の汚職が事実だとしても処分が軽すぎると疑問視する声が上がっている。
人民日報傘下のニュースサイト人民網は窃盗と汚職は罪の重みは同様で、84万元の汚職の重大さを再認識すべきだとの記事を掲載した。
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