金融界の内幕を赤裸々に暴露した人民銀行・周小川総裁(AFP)
【大紀元日本12月27日】第18回党大会で党の新指導部である中央委員に選出されず、退任が確実となった中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁。落選の「腹いせ」か、周氏はこのほど、内部会議で金融界、地方政府の内幕を赤裸々に語った。香港紙・明報が報じた。
それによると、周氏は国務院が主催の各部(省)責任者会議で、「金融体制の問題はすでに言い古されたもの」、「金融改革は国務院に阻害されている。具体的な政策、明確な規則、はっきりとした指針がなければ、改革のしようがない」などと言い放った。
このほか、周氏は党大会のグループ会議で「不動産市場は、6年前には問題が現れていたにもかかわらず、皆嘘をついたり、数字をでっち上げたりしていた」、「不動産バブルは早くはじけたほうがいい」、「“安定が第一”のスローガンで真実を隠すのであれば、歴史に許されない。国は大きな代償を背負うことになる」とも発言した。
さらに、周氏はこれまでの地方政府の問題点についても指摘し、「犯した間違いを反省も公表も総括もせず、不動産バブルや巨額な不良債権、海外投資の損失を後任者に負わせている。地方政府は業績のため、粉飾を行い、返済できないほどの巨額な債務を作り出した。しかし、幹部らは追究されず、昇進を果たしている」との発言を繰り返した。
周氏は2002年12月に人民銀行の総裁に選出された。閣僚級である同ポストは慣例として中央委員が務めるため、周氏は来春にも退任する見通しとなっている。
(翻訳編集・高遠)