監禁中の人権弁護士高智晟氏、9ヵ月ぶり家族面会 刑務所側「何も聞くな」

2013/01/22
更新: 2013/01/22

監禁中の弁護士高智晟氏 (AP/看中国)

【大紀元日本1月22日】中国新疆ウイグル自治区の刑務所で服役中の人権弁護士高智晟氏は12日、厳しい監視下で家族と面会した。9カ月ぶりの対面だったが、質問は禁止され、家族は「生きていることだけが確認できた」と話した。

米在住の同氏の妻耿和さんは、米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に応じ、一部状況を説明した。

今回の面会は、高智晟氏の弟が繰り返し当局に要求してやっと実現された。許可を受けたその日、その弟と義父は数千キロ離れた、同氏を収監する沙雅刑務所に飛び立ったという。面会は約30分間だった。

面会に先立ち、刑務所側から同氏の現況を含めて「何も聞くな」と伝えられた。また、刑務官の話では同氏はテレビを観るのを禁止されている。「自力で歩いてきた。健康には問題なさそうだ」と家族は言う。

高氏は妻に「子供たちをしっかりと育ててほしい。私のことをあまり心配しなくていい」との伝言があった。「私が送り続けていた手紙や年賀状が届いたかとの質問も禁止事項です。このような面会は実質的な意味があまりないです。彼は生きている。それだけが確認できた、何もコミュニケーションできませんでした」と妻は無念さを口にした。

次回の面会時期については不明だという。

今年49歳の高智晟弁護士は、中国当局の弾圧を受けている法輪功について、2005年から3回にわたり最高指導部に対して公開嘆願書を提出し、弾圧の違法性と残虐性を訴え、停止を求めた。2006年年末、同弁護士の法律事務所は強制閉鎖され、12月22日には「国家政権転覆扇動罪」で有期懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた。

執行猶予期間中、家族は当局の監視下に置かれ、同氏自身は幾度も極秘に密逮捕されて行方不明を繰り返していた。2007年同氏は「黒い夜、黒い眼隠し、マフィアのような拉致」(中国語タイトル:黒夜、黒頭套、黒幇綁架)の文章で、獄中で受けた様々なリンチと拷問の実態を明かした。後にこの文章はネットで公開された。

2009年はじめ、その妻・耿和さんは二人の子供を連れ、東南アジア経由で米国に脱出し、米国政府に難民として保護されている、

執行猶予期間終了直前の2011年12月中旬、当局は同氏に対して3年間の禁固刑を執行すると発表した。

耿和さんは、「私はこれからも手紙を書き続けます。一通でも夫の手に届ければと願っています」と語った。

(翻訳編集・叶子)