共産党最高幹部の子弟が関与するとされる国有企業・チャイナユニコム(Getty Images)
【大紀元日本1月23日】中国の国有企業は政府の補助により世界で勢力を伸ばしているものの、欧米では政府や企業から警戒され一部の業界では苦戦も強いられている。最近の研究では、こういった不利な立場に加え、国有企業のもつ国有という性質も成長の足手纏いになっていることが分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。
国有企業は人件費や自己資本、電力費用などの生産コストが人為的に低減されたため大きな発展を遂げてきた。しかし、米ボストン・カウンセリング・グループ(BCG)の最新の研究によると、企業の国有という性質はグローバル競争において、プラスよりもマイナスの要因になりがちで、中国の国有企業がその典型であるという。
2006年から、BCGは新興国で台頭する上位100社を選び、「グローバル・チャレンジャー」として発表してきた。リストアップされている企業はいずれもグローバルに展開し、それぞれの業界で世界をリードする地位を目指している。このリストに挙げられる国有企業の数は、年とともに少なくなっており、2006年には36社だったものが、今年は26社にまで減少した。
BCGは、国有企業の苦戦を▼顧客のクレームや要求に応えるすべを知らない▼マンパワーを有効に管理することができない▼企業の合併・買収(M&A)において消極的▼国外では政治的な圧力に遭う、などのためだと分析している。
国有企業が世界で成功するためには、優秀な人材を取り入れ、リスクと向き合い、成功する経営モデルを発展させ、関係者の憂慮を緩和させることが大切だとBCGは指摘した。
一方、国有企業がこのリストに挙がっていなかったとしても、それで企業の経営が難航しているとは限らない。自国で莫大な利益をあげている国有企業には海外に進出するモチベーションが欠けているからだ。「中国移動(チャイナモバイル)」はその典型的な例。自国内で保護されている同企業は、携帯電話の契約者数が5億人以上をほこる中国最大の移動体通信事業者でありながら、BCGのリストには一度もランクインしていないという。
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