【大紀元日本2月20日】ネット上の告発で多数の不動産を所有したとして汚職幹部が相次ぎ失脚する中、北京市、江蘇省、福建省など各地政府はこのほど、個人の不動産情報の調査を禁止する規定を打ち出した。規定は個人情報保護のためだと当局は説明しているが、汚職幹部を守るためだと市民は反発している。
「不動産おじさん」「不動産姉貴」、「不動産おじいさん」・・・この頃、不動産にちなんだあだ名が続出し、話題となった。北京で40件以上の不動産を所有した「不動産アネキ」こと、龔愛愛が最初告発された人。その後、広東省で20数カ所の住宅を保有した「不動産おじさん」、鄭州で家族名義を含めて29件のマンションを取得した「不動産妹」、192カ所の不動産を保有する「不動産の祖先」まで現れた。
その多くは地位を利用して不動産を不正取得した政府幹部。告発者らは不動産登記管理所が発行する「個人名義不動産登記状況調査証明」のコピーを掲示板サイトに掲載する形で告発を行っている。
新たな反腐敗の手段に政府はストップをかけた。新規定は、本人による不動産所有証明書の申請や公安当局からの調査依頼のほか、氏名だけで不動産情報の取得を禁止にした。理由は「一部の人が不動産情報の安全を心配しているため」、「プライバシー侵害を防ぐため」としている。
新規定は直ちに市民からの批判を招いた。
「規定を作った人こそ怪しい」
「政府の今回の反応は異常に早い。幹部の財産公開制度は20年前から議論されていたが、未だに制定されていないのに」
「一部の人って誰のこと?」
また、国内メディアも「(新規定で)有効な反腐敗の手段を失ったが、新たな腐敗取り締まり規定を期待したい」と注文をつけた。
(翻訳編集・高遠)
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