香港当局、共産党の妨害活動停止令 背後に弾圧組織(一)

2013/04/15
更新: 2013/04/15

【大紀元日本4月15日】香港当局は、同地区内で過剰に繰り広げられてきた法輪功を標的にした妨害や嫌がらせ行為を停止するよう命じた。許可のない宣伝活動は犯罪であり、膨大な数の掲示板や横断幕は通行人に危険をもたらすと理由を説明している。

宣伝金銭を与えられて活動していたとみられる「香港青年關愛協会青關会)」による反法輪功の活動は、同地区内で10カ月にも及んだ。罵りや中傷の言葉が並ぶ横断幕は、屋内では駅構内の天井、壁、屋外では道路脇の支柱、電柱、地面などに広げられ、さらに膨大な数の特設大型看板が繁華街に並び、市民からは景観を損ねるなどの苦情が出ていた。

青關会のメンバーは突然現れた。全員、黄緑色のシャツや上着をまとい、法輪功が掲げていた横断幕の上、また横断幕が隠れる位置に、中国共産党のスローガンが書かれた幕を配置した。

暴力伴うアンチ・キャンペーン

青關会の活動ははじめ、大陸へ続く鉄道やバスが出ている紅ハム駅などで展開された。法輪功学習者が修練や共産党による迫害・弾圧を伝える活動をしていた場所だ。やがて駅に止まらず区内すべての法輪功が活動している場所へと移転し、旗やボードで法輪功の活動場所をすっかり埋め尽くすほど広がった。

さらに直接的な嫌がらせも出ていた。法輪功学習者の話によると、同協会のメンバーはメガホンを使い侮辱的な言葉を浴びせたり、近距離で唾を吐いたり、警察が見ていない場所で暴行を加えるなどしたという。新唐人テレビによると、アンチ活動を撮影していたところ、メンバーの女性が刃渡り30センチほどののこぎりをちらつかせてきた。

活動は11月には香港全域に広がった。主要な大通りの両脇は、法輪功を中傷する横断幕が数キロ続き、繁華街にある日本の百貨店そごうの前や、屋外の子供たちの遊び場にまで至り、 横断幕であふれるほどとなった。

このため、市民や観光業界からのクレームが相次ぎ、香港当局はついに、青關会に横断幕などの撤去を通知した。許可のない非商業の宣伝品や横断幕を法的規制の対象とし、応じなければ刑事告訴するという厳しいものだった。

大陸での迫害状況などを伝える法輪功の横断幕については、公共の場でも活動できる権利を有すると、2005年に行われた裁判で許可が下りているため、そのまま残された。

香港当局が、共産党スローガンの掲げた横断幕を取り下げるよう命じたという事実の裏には、大陸内の党の派閥争いが見え隠れする。

「輸入」された青關会と610オフィスの関係

青關会は、中国から香港へ「輸入」された機関だ。香港の中国共産党元地下要員が大紀元に内部情報を明かした。

2012年5月にこの元地下要員が聞いた話によると、青關会は共産党の支援により結成されたもので、極秘情報として、直ちに法輪功への攻撃を開始するという目的があったと伝えられている。

またメンバーたちは、共産党中央政法委員会から資金援助を受け、毎月2万香港ドル(約25万円)を受け取っている。これは、中国政府が発表する大陸の都市住民の年間平均所得40万円と比較すると、かなりの額だ。

深センにある中国反邪教協会が入るビルとオフィスを共用する青關会

2012年8月、香港誌「壹週刊」の記者が、深セン市にあるという青關会の事務所を訪ねた。そこは「中国反邪教協会」と同じビルにあり、オフィスを共用し、職員も同じであることが明らかになった。中国の多くの地方の反邪教協会は法輪功への弾圧を指揮する「610オフィス」と直結している。青關会トップは、江西省の共産党幹部であることも判明している。

610オフィスとは、1999年6月10日に設立された中国政府機関で、中央の政法委員会書記の羅乾氏がまとめている。法輪功を迫害するためだけに作られた機関だ。

(続く)

(記者・郭惠/翻訳編集・佐渡 道世)