【大紀元日本6月28日】豪カンタス航空、英ブリティッシュ・エアウェイズ、UEEエミレーツ航空など世界大手航空各社が機内に備えていた乗客用ヘッドホンは、中国広東省東莞刑務所から供給されたものであることが明らかになった。中国の囚人は、体罰や超長時間労働を含む過酷な環境を強いられることで知られている。
最近、解放された2人の外国籍の同刑務所元囚人が、豪紙オーストラリア・フィナンシャル・レビューの取材で明かした。そのうちの一人で、過失致死罪で4年間服役していたというニュージーランド人のダニー・カンシャン(Danny Cancian)氏は次のように述べた。「生産目標に達成しなければ、外に連れて行かれ、脅された」「容赦ない環境だった。毎朝、その日を生き延びられるかどうか疑いながら起きていた」
また、もう1人の匿名希望の元受刑者は5年間の服役中、航空会社大手のヘッドホンを製造していたと証言。「カンガルーのロゴが付いた豪カンタス航空、エミレーツ航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、他の航空会社のものも沢山作った」と答えた。
カンシャン氏によると、囚人たちは1週間に70時間以上働き、生産率が悪い場合ひどく罰せられたという。それにも拘らず、労働収入はわずか一カ月8元(約120円)のみ。「支払いがあるので奴隷労働ではない、と刑務所側は主張していた」と付け加えた。また、カンシャンさん曰く東莞刑務所の収容人数は5400人で、囚人は15の異なる作業場で働いているという。
同紙の取材に答えたヘッドホン製造の注文先と見られる東莞市の企業・卓星電子は、ベトナム企業AirPhonicsの大型受注30万個のヘッドホンの製造を「最下位の下請け工場」である東莞刑務所に労働力の活用を依頼したことを認めた。
同紙の報道に名前が挙がった航空各社はいずれも事実を否定している。カンタス航空は書面で同社スポークスマンが「報道に強い関心を示している」と答えながらも、AirPhonics社から強制労働はないとの文書を受け取ったとし、ヘッドホン製造施設をカンタス航空スタッフが5月まで監査していたと主張している。ブリティッシュ・エアウェイズは書面で「すべての供給先は厳しい契約プロセスを受けている」と答えた。エミレーツ航空は「(ヘッドホン)提供先とは長い取引を続けているが、これまでに非倫理的な製造過程があったという証拠はない」と述べている。
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