【大紀元日本7月6日】街の景観を即席に美しくするため植えた樹は、実は根っこがついていない。場当たり的な方法に開いた口がふさがらない。河南省南陽市方城県の地方当局は半年前、約1000本の根っこのないクスノキを街路樹として植えていた。地元の市民がインターネットでこのことを明らかにした。
その市民によると2012年12月末にこの街路樹は植えられた。約半年後の今年5月になっても、当然だがまったく新芽が出てこない。7月になって枯れたこれらの樹は全部撤去された。
この情報を知った国内メディアの記者は2日に現場を取材。道路の両側では、問題のクスノキは見当たらず、道路端に積み上げられていた。たしかにクスノキは根っこがなく、幹の途中で切られたものだった。木々はすでに枯れていた。
現場を案内した市民は、「昨年の冬に『お偉い役人』が視察に来る準備として、短期間で集中的に街路樹を植え替えた。人件費を含め1本あたり約800元(約1.3万円)かかったそうだ」と話した。
この植え替え作業を率いていた現地当局の幹部は記者の取材に対して、責任者だったことを認めたが、根っこのないこれらの樹の仕入先や、値段などについて「よく知らない」と言葉を濁した。
県当局にとって「根っこのない街路樹」は簡単に景観を塗り替える方法として定着しているようだ。現在、建設中の市内の広場では、新たに100本以上の根っこのないクスノキが植えられた。やはり芽は出ていない。
(翻訳編集・叶子)