12歳の少女が赤ちゃんを出産、「複数の教師に強姦された」=湖南省

2013/07/13
更新: 2013/07/13

【大紀元日本7月13日】中国湖南省祁陽県で小学校6年生の女子児童・思思ちゃん(仮名、12歳)は5月上旬、赤ちゃんを出産した。複数の教師強姦されたと証言する彼女だが、警察は隣村の高齢者の男性を犯人と断定した。被害者一家は警察の捜査に強い不信感を示す中、中国有力紙「南方都市報」の記者は本事件の経緯を追跡調査した。

 農村生まれで、同県梅渓鎮中心小学校に在学する思思ちゃんは当初、妊娠したとも分からず、体の変化にただ怖がってばかりだったという。今年1月中旬頃、娘の異変に気づいた両親は彼女を病院に連れて行って検査したところ、すでに妊娠5カ月であると判明した。

 農民で古風な両親にとってまさに青天の霹靂。相手の男性を突き止めるため、苦難な道のりがこの日から始まった。

 これまでに先生に強姦された事を伏せていた思思ちゃん。父親にひどく怒られて殴られた末、やっとことの真相を話し始めた。その話によれば、昨年6月から、同小学校の男性教師3人は度々校内で彼女を単独で強姦した。そのうちの1人は、ナイフで彼女の手を切りつけて、「ほかの人に話したら殺す」と脅したという。その傷跡もいまだに鮮明に残っている。

その後、彼女は犯された当時の一部始終を警察にも話した。

強姦された教師に切られた手の傷跡を見せる少女(南都ネット/スクリーンショット)

しかし警察はなぜか、隣村の男性、74歳の唐冬雲を容疑者としてリストアップした。そこから、本事件をめぐって奇妙な展開が始まった。

 謎その1.警察調書の不実記載と校長の偽証強要

警察の調書は、唐の自供として、2012年8月から思思ちゃんを十数回にわたり強姦した上、毎回5~10元(1元は約16円)渡したと記されている。

 唐が実際にこのように自供したかどうか、確認が取れていない。

 一方、取材において、思思ちゃんは「まったくそのような事はない」と完全に否定し、唐が犯人だと告発するよう、校長に強要されたことを明かした。「そうしないと、学校に来させない」と脅されたという。

 謎その2.不審なDNA鑑定

 

 

警察の発表では、思思ちゃん、唐と同校の3人の教師の血液サンプルをDNA鑑定した結果、犯人は唐であることが判明したとなっている。

 一方、南方都市報の記者が内部から入手した同DNA鑑定書の内容は警察の発表と完全に不一致であった。

 なんと、DNA鑑定を行ったのは、思思ちゃんと唐、そして本事件と関係のない別の男性教師1人だった、容疑者である3人の教師は鑑定を受けていないのだ。

 思思ちゃんの父親も鑑定の結果を受け入れられないとしている。その話によれば、唐は彼の遠縁の親戚。父親は「そのことが原因で、DNAが一致したのではないか」、「彼は罪を転嫁させられた」とみている。

 思思ちゃんが出産する直前の4月18日、同県人民法院は、本事件の犯人として唐に12年間の懲役刑を言い渡した。生涯独身で親戚付き合いも絶っている独居高齢者である唐はいま服役中である。

 一方、現地当局の幹部たちも度々思思ちゃんの両親の元を訪れて、中絶を強く勧めたという。

 「娘を犯した真犯人を突き止めるためにも、最後の証拠を残す」と、両親は娘に出産させることを決意した。
 
 赤ちゃんが生まれてから、父親は幾度も上層機関に陳情を試み、赤ちゃんと3人の教師のDNA鑑定を再三に要求しているだが、当局は応じていない。

 謎その3、警察当局に改ざんされた通報内容

​ この強姦事件を警察に通報したのは、妊娠検査を担当した同県計画生育部門の医師・譚東方先生。彼女の通報内容をめぐっては、警察と当事者各方面の言い分も大きく食い違っている。
  
 警察が南方都市報の記者に開示した内部記録では、譚先生は当時、「思思ちゃんは隣村の高齢の男性に強姦されたと証言している」とこのように通報している。

 しかし、同記者の取材に対して、思思ちゃんとその両親、そして譚先生も、このようなことは通報していないと話した。譚先生は、「私は、幼い女の子が妊娠してしまったと警察に説明しただけ」と当時の状況を振り返って、警察の記録を真っ向から覆した。

 「娘が繰り返し3人の教師を名指して告発しているのに、なぜ、彼らを無実だと判断できるのか」という父親の問い詰めに対して、警察は、「当事者の教師たちが否認している」「小学生である彼女の証言の信憑性が低い」と根拠の薄い説明を並べている。

 一方、捜査に関わった警官たちは容疑者の教師らから多額の現金賄賂をもらったという未確認情報もある。

 (翻訳編集・叶子)
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