世界2番手の再保険会社・スイス再保険は10月29日、中国の天津爆発による同社の損失は2.5億ドルに上るとの推計を発表した。
スイス再保険のCFO(最高財務責任者)デビッド・コール氏は、英フィナンシャル・タイムズの取材に対し「爆発から11週間経った今も、爆発現場の調査が全くできないため、損失額は現段階での推計だ」と述べた。
スイスのチューリッヒ保険は、事故による同社の損失は2.75億ドルと発表している。これにより、英保険会社RSA保険グループの買収計画を断念したという。
再保険ブローカー会社ゲイ・カーペンターは9月、保険・再保険会社全体の損失は、計16~33億ドルと推計した。天津爆発事故について「アジアで過去もっとも被害額が高くついた人災」と表現した。
世界3位の規模を誇る天津港には、日本を含む多くの外国企業に被害が及んだ。トヨタ自動車は、完成車約4700台が損傷し、工場も一時操業停止となった。仏ルノーは新車1500台が全焼。富士重は日本からの輸出車百数十台が損傷したという。
中国メディア「経済ネット」8月31日の報道では、中国発展改革委員学術委員会事務局長の張燕生氏は事故について「巨額な直接的な損失だけでなく、間接的な損失もかなり大きい。今後、世界から天津への投資に影響を与えるだろう」とコメントした。
(翻訳編集・山本アキ)
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