台湾帰省中の企業家、中国にある工場が更地に 土地使用権も剥奪

2022/01/05
更新: 2022/01/05

ある台湾人実業家が米国営放送ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、新疆ウイグル自治区の自社工場が地元当局に強制的に取り壊され、土地使用権を剥奪され、1000万元(約1億8千万円)以上の損失を被ったと訴えた。

王翔さん(仮名)は新型コロナウイルス(中共ウイルス)感染症が発生した2019年、妻子を連れて新疆から台湾の金門島に戻った。21年11月中旬、6年前に新疆に開業した環境保護関連の工場が現地当局に取り壊されたという。

王さんは1990年代に広東省深セン市に移住し、新疆出身の妻と結婚した。その後、新疆に拠点を移した。妻名義で購入した約1200平方メートルの土地の50年間使用権も、新疆の地元政府に取り上げられたという。

王さんは当初、新疆のカラマイ市に投資した唯一の台湾人であり、市長からVIP待遇を受けていたという。「問題が起きたとき、電話すればすぐ解決してくれた」という。

「ここ数年、時代は変わった。中国政府は政治を重視し始め、台湾企業は肩身の狭い思いをしている」

中国国務院台湾事務弁公室は12月15日、王さんの土地は定められた用途と違った目的に使用されたために、現地政府は安全性を考慮し工場を取り壊したと説明した。

王さんは「彼ら(中国政府)はいくらでも罪状をでっち上げて、いくらでも濡れ衣を着せることができる」と中国政府の言い分を認めなかった。RFAの取材に対し、損失の補償は期待しておらず、新疆に帰るのが怖いと漏らし、「収容所に入れられるかもしれない」という。

台湾企業「遠東グループ」が中国で環境保護違反などの名目で4億7400万元(約86億円)の巨額罰金を科せられたばかりだ。

(翻訳編集・叶子静)