中国、大学の新聞学科でマルクス主義教育強化 報道の「暴走」を抑制するためか

2013/12/24
更新: 2013/12/24

【大紀元日本12月24日】中国国内メディアを統制する中共中央宣伝部はこのほど、マスコミの「欧米のジャーナリズム理念及び自由主義思想」を粛清するため、各大学の新聞学科でマルクス主義教育の強化に乗り出した。また、来年1月から施行する初の記者国家試験に主要項目として盛り込み、合格しなければ記者免許を取得できないという。専門家らは「報道の自由を抑圧する新たな手段だ」と懸念している。

浙江大学のマスコミと国際文化学院の呉飛教授や「中国週刊」誌の朱学東編集長、清華大学の贾西津助教授は最近、自身のミニ・ブログ(微博)でこのことを明かした。中央宣伝部はすでに、名門の復旦大学、中国人民大学、曁南大学、武漢大学などに内部通知を出すとともに、新聞学科の責任者には今後、所在省・市宣伝部の幹部を起用する方針を伝えた。

米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対して、中国国内紙「大河報」の元副編集長の馬雲龍氏は「マルクス主義報道理念の根本的な問題は、事実を尊重しないところにある。マスコミ関係者はこのやり方に反感を抱いている」と指摘した。さらに「インターネットの普及により、情報を統制しようとする当局は限界に達している。報道を自由にするほかない」と述べた。

北京大学新聞学院の助教授だった焦国標氏はRFAの取材に対して「長年来、共産党は新聞学科の学生にこの思想しか注いでいないのに、それでも欧米のジャーナリズムの理念が彼らの中で芽生えた。この対策は、世界の笑いものになるほかない」と冷ややかな見方を示した。

また、今年10月から、マスコミ関係者25万人は「マルクス主義の報道理念」の集中講座の受講を中央宣伝部に命じられている。その上、来年1月に行われる初の国家試験で、関連の内容を主要項目として取り入れ、合格しない記者に免許の更新を認めない方針だ。

(翻訳編集・叶子)