【大紀元日本6月3日】5月28日、山東省招遠市のファーストフード店で食事中の女性が見ず知らずのグループに暴行され死亡した事件について、当局は容疑者が邪教の信者であると発表し、邪教の取り締まりに乗り出した。2日、取り締まりの対象となる14つの邪教が発表されたが、なかにはこれまで邪教として弾圧されている法輪功の名はなかった。これについて、専門家は法輪功弾圧に法的な根拠がないことを当局が自ら示したと指摘し、習近平体制が、弾圧を発動した江沢民元主席らと一線を画く姿勢を鮮明にしたものと分析した。
法輪功は1999年7月に当時の江主席が主導のもと、非合法化され、メンバーらが逮捕されるなど活動が全面的に禁止された。しかし、この弾圧は法的な根拠があるものではない。「邪教」だとして宣伝されていたが、中国公安部が2000年、2005年に発表した邪教のリストにはいずれも法輪功の名前は入っていない。1999年10月30日に全国人民代表大会(日本の国会に相当)が発表した邪教活動を取り締まる決定にも法輪功への言及はなかった。
「邪教」の言い方は江元主席が1999年10月25日、仏メディアの取材を受けたときに法輪功に貼ったレッテルだった。さらに、その2日後に人民日報が法輪功を糾弾した記事を発表し、江元主席のこの言い方を踏襲した。また、最高裁の内部通知の中にもこの言い方を採用した。しかし、いずれも法的な効力のあるものではなかった。
2日に発表されたリストは再び法輪功弾圧の違法性を物語った。
さらに、習近平体制が推し進める反腐敗運動で、昨年12月に法輪功弾圧の執行組織「610弁公室」の責任者で公安部の李東生副部長(次官)が「重大な規律・法律違反」で調査を受けている。当局の発表は、李副部長が邪教問題を統括する指導チームの副責任者であると言及した。中国専門家の間ではこの発表を弾圧の責任を負いたくない習体制からの「重大なメッセージ」と認識されていた。
大紀元がこれまでに入手した情報によると、法輪功弾圧を推し進めていた江一派は、その責任追及を非常に恐れているという。追及から逃れるため、習氏を転覆させる政変計画を練っていた。習政権は今回の邪教取り締まり運動を通じて「弾圧の罪を背負いたくない」という姿勢をさらに鮮明にした。
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