【大紀元日本8月5日】米国務省がこのほど発表した2013年度国際宗教自由報告書は、引き続き中国を「特別関心国」とした。同書は、中国政府によるチベット、ウイグル、法輪功、キリスト教への弾圧を非難し、「1999年以降、中国の宗教への侵害は特に深刻」と報告した。
周永康・中央政治局元常務委員への立件、捜査が公表される前日の7月28日に発表された同報告書は、中国のほか、北朝鮮、イラン、ミャンマー、スーダン、サウジアラビなど8カ国を特別関心国にリストアップした。
中国の伝統的気功・法輪功への弾圧問題に多くの記述が費やされている。その一部を次にまとめた。
「1999年に弾圧されるまでは、中国全国に7千万人の学習者がいたとされる」「中国政府は法輪功の根絶を目的とした610弁公室(警察組織)を設立した」「学習者を含む多くの人は信仰の放棄を強要され、一部は精神病院に収容された」「中国の国内メディアが馬三家・労働教養所での拷問の実態を報道したが、その受刑者の大半は法輪功学習者とされている」
被害者の実例も取り入れられている。そのうちの一人は2000年に懲役17年の判決を受け、いまも服役中の于長新さん(88歳、中国空軍指揮学院元教授)。
于さんの知人の証言によると、彼は空軍の元高官で、弾圧開始直前の1999年、法輪功を批判するテレビの全国放送で修煉放棄の表明を強制された。于さんはそれを堅く拒否。それにより17年間の懲役刑を言い渡された。自宅は取り上げられた上、学習者である夫人も後に逮捕され、10年の懲役刑を受けた。
于さんへの懲役刑は弾圧を推し進めた当時の国家主席、江沢民が直接命令したとの情報もある。
同報告書が言及したもう一人は、中国公安部の元高官・李昌さん。彼は1999年に法輪功の冤罪を主張する平和的陳情活動を召集したため、18年間の懲役刑に処されたと記されている。
また報告書は、チベットと新疆ウイグル自治区での宗教の自由を侵害する状況も特に深刻と指摘し、「政治的利益のため、中国政府は宗教信者の自由を制限し、国によるコントロールを実施している」と記した。
報告書発表当日に開かれた記者会見で、トム・マリノフスキー米人権労働担当国務次官補は中国政府による法輪功への弾圧政策を改めて厳しく批判し、弾圧停止を公に求めたため「国家政権顛覆煽動罪」で投獄されている著名な人権弁護士・高智晟氏の釈放を促した。同氏は8月7日に刑期満了となる。
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