【大紀元日本12月9日】中国国内紙「経済参考報」の報道によると、建設ラッシュの中国では砂の需要が高いため、違法採掘が横行し、アジア最長の内陸河・長江沿岸の河川と湖が甚大な被害を受けている。環境問題専門家は生態系と環境を著しく破壊していると警鐘を鳴らした。
同報道によると、違法採掘は十数年前に始まった。川砂はトンあたり十数元(1元約20円)で取引されるので、採掘船一艘は一晩で数万元から十数万元の「収益」をあげる。採掘、運搬はすでに産業となり、粗利益が多いため、闇組織のほか、一部地方政府も加わっている。
不法採掘船の船体には、砂を吸引するための巨大な鉄製のホースが巻かれている。「1時間に川底から500から1000トンの砂を吸い込める」という。
報道は、長江沿岸の中国最大淡水湖・鄱陽湖と第2の洞庭湖の被害状況を明らかにした。
中国政府系シンクタンク「中科院」の水生生物研究所の専門家チームが調査した結果、鄱陽湖の砂は十数年間の大量採掘でほぼ底をついた。2006年から採掘が盛んになった洞庭湖は、1年間の最大採掘量は、10年かかって蓄積する砂の量に相当するという。
同紙報道によると、毎日百艘以上の違法船が洞庭湖で操業しているという。
当局は2002年から取り締まりを始め、船舶押収、最高30万元の罰金などを科しているが、不法船は一向に減らないという。
ある船主は「船一艘は数十万元で改造できる。押収されても、数晩頑張れば元が取れる」と堂々と取材記者に語ったという。
(翻訳編集・叶子)