【大紀元日本12月30日】中国貴州省桐梓県に位置する大型国有企業「桐梓煤化工」(桐梓石炭化学工業)で23日午前、有毒ガス漏れ事故が発生し、少なくとも40人以上が意識不明の状態となり、救急車で病院に運ばれた。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が29日報じた。
工場周辺に住む多くの住民らはめまいや嘔吐などの症状を訴えた。近所の小学校では一部児童の鼻血が止まらないため、授業が一時中止となった。住民の話によると、地元当局は責任を逃れるため、化学工場から漏れた有毒ガスを吸引して意識不明となった事実を住民に明かさないよう病院側に要求したという。
匿名での取材を希望した住民のひとりが29日、RFAの電話取材に応じ、「具体的な状況は分からないが、今日もまだ強い刺激臭がある。一部の住民はまだ入院している。ネットに流れた情報によると、入院人数はすでに42人に達した」と話した。
「桐梓煤化工」の工場は貴州金赤化学工業株式会社傘下にある大型プロジェクトで、主に肥料やメタノール、オレフィン類、尿素などの製品を生産している。2012年に操業を始めたが、環境汚染をもたらしたことで地元住民から大量の苦情が殺到していた。
工場から出される煙や排気ガスなどの汚染物質が原因で、森林の樹木が枯れ、農作物の生育不良や家畜の死亡につながるほか、多くの住民らは肺疾患や白血病などを罹っている。工場周辺の村では、今年8月から11月まで、少なくとも住民7人が癌などで亡くなったという。
(翻訳編集・王君宜)
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