【大紀元日本7月22日】中国広東省のある小さな町は、「世界最大の電子機器のゴミ捨て場」と呼ばれ、毎日、国内外から1万5千トンの廃棄物が投棄される。深刻な環境汚染に苛まれている場所としても知られている。ロイター通信のカメラマン、タイロン・シウ氏が現地レポートを伝えた。
同省汕頭市潮陽区の西部にある貴嶼鎮は、人口15万人、52平方キロメートルの地域。電子廃棄物回収や解体、リサイクル処理企業が約5千社以上あり、住民のほとんどが関連の仕事に携わっている。
労働者の作業環境は劣悪だ。有害物質を含む中古電子機器の廃棄物「電子ゴミ」を扱うにも係わらず、マスクなどの防護措置をしていない。施設の排気や換気も悪く、町全体でさえ焦げたような異臭が漂う。
汚染物質や重金属が大量に河川に流されており、住民の利用する生活用水や農業用水などは壊滅的なダメージを受けている。汕頭大学の調査によると、住民の子どもの血液中の鉛濃度は平均より異常に高いという。
貴嶼では毎日、大量のトラックがパソコンのハードドライブ、マザーボード、携帯電話などを運び、廃棄物で何万もの人が雇用されている。数年前までは外国からの廃棄物が多かったが、中国国内経済の成長とともに、国内のゴミが多くなった。
国連大学が4月に発表した電子ゴミに関する調査によると、2014年に世界中で出された電子廃棄物は4180万トンに上り、毎年200万トン増加しているという。国別では、米国が最も多く707万トン、次いで中国が603万トン、日本は220万トンで3番目の多さだった。
また、2013年の同調査によると、世界中で出る毎年2000万~5000万トンの電子ゴミのうち70%が中国に捨てられているという。
貴嶼で労働者は電子廃棄物を解体し、銅、鉄、アルミニウム、金などの有価金属を回収している。同調査によると、これらは約6兆1800億円分の価値に相当する。
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