世界の株価指数を算出し提供する米MSCI社は3月30日、中国のA株市場をMSCI新興市場指数に加えるかどうかについて新たに議論を始め、6月に判断を下すと発表した。MSCIは現在多くの投資家が依然として中国株式市場の現状を懸念しており、A株式市場をMSCI新興市場指数に採用するには、四つの条件を満たさなければならないと示した。
まず一つ目は、広範囲の取引停止で市場流動性が急激に低下するため、上場企業の株式が再び広範囲に売買を停止されると混乱が現れるかどうかを見極める必要があるという。昨年6月に起きた株価暴落後、政府の介入で約50%の上場企業の株式取引が停止された。
二つ目は、MSCIは中国当局の反競争措置に懸念を示している。当局はA株式市場を含むすべての金融商品について、国際市場に上場していても、必ず先に本土の証券取引所で当局の審査と承認を受けなければならないと定めている。他の新興市場ではこのような定めは存在しない。この点を解決しなければ、同新興市場指数に加えることはできないとした。
また三つ目は、中国当局は2月に適格外国機関投資家(QFII)制度で承認を受けた外国機関投資家に対して、投資額および資金の中国国外への送金に関する規制を緩和した。MSCIは同制度の一部を緩和させたとはいえ、投資家は依然として制度の制限を受けており、同制度についてより一層の透明性と手続きの簡略化を求めるとの見解を示した。
さらに四つ目は、MSCIは投資家の株式所有権の所在を明確にすべきだと指摘した。中国国内では株式の所有権に関する法律が非常に複雑だ。国際間での株式取引で直接に株式を所有する権利があるかどうかが不明で、それによって株式の配当や株主として企業の経営問題に関して行動を起こせるかどうかとの問題があるとした。
(翻訳編集・張哲)
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