このほど中国政府が、急騰する住宅価格に過熱抑制措置を打ち出したことで、上海の住宅価格が下落し始めた。
上海市政府が3月25日、最も厳しいと言われる不動産価格抑制措置を発表した。同措置では、不動産市場の監督を強化すると同時に、不動産開発企業と仲介業者による頭金の貸付業務を禁止する。上海戸籍を持たない住民が住宅を購入する際、上海での最低納税期間を従来の2年から5年に引き上げること、2軒目の住宅ローン頭金は購入価格の50%以上に引き上げるなどと定めている。
5日付国内紙「羊城晩報」によると、同措置が出される以前に販売価格が1150万元(約1億9550万円)であった上海のある分譲物件が、措置発表後に約14%安くなり990万元(約1億6830万円)で販売された。交渉次第でさらに値引きも可能だという。仲介企業の関係者によると、4月2日、3日は今期で最も閑散とした週末となり、来客数が前の数週と比べて約4割減ったという。
不動産コンサルティング会社、同策不動産諮問の研究部の張宏偉氏によると、過去のデータをみると、上海市政府が不動産価格抑制措置を打ち出したその日から、大体7カ月後に上海の不動産市場の取引成約件数が底打ちとなる傾向がある。これによって、張氏は今年10月が上海不動産市場の取引成約件数の底打ち期間となる可能性があると示した。またその際、住宅販売や仲介企業が販売促進で大幅な値下げキャンペーンを行うと予測。
また証券大手の民生証券は今年年末まで上海の住宅価格は10~15%下落するとの見通しを示した。
3月25日の上海に次いで、深セン、武漢、南京でも新たな不動産価格抑制政策を発表した。
(翻訳編集・張哲)
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