中国国営新華社通信によると、天津市第1中級人民法院(地方裁判所)は7月4日、令計画・前人民政治協商会議副主席に対し、「収賄、国家機密の不法取得、職権乱用」の罪での判決公判を開き、無期懲役を言い渡した。
判決文の内容をみると、中国共産党四川省委員会の元副書記の李春城氏と雲南省委員会の元書記の白恩培氏が、令氏に対してぞれぞれ89万元(約1380万円)余りと60万元(約930万円)の賄賂を贈った。
李春城氏と白恩培氏は元中央政治局常務委員の周永康氏の側近で、李氏は14年4月に、白氏は15年1月に賄賂や職権乱用などの疑いで、中国共産党中央紀律委員会(中紀委)に党員資格はく奪の処分を受け失脚した。
当局は李氏と白氏がいつ、どの時点で令計画氏に賄賂を贈ったかについての言及はしなかったが、時事評論員の石実氏は、李氏と白氏が周永康氏の指令で、令計画氏が2001年~11年まで党中央弁公庁主任在任中に賄賂を贈った可能性が高いと指摘した。
令計画氏は周永康氏のほか、12年3月に失脚した元共産党重慶市委員会書記の薄煕来氏とも親交があった。
国内の報道によると、令計画氏の父親である令狐野氏と、薄煕来氏の父親である薄一波氏は同じ山西省出身で、1930年代以来の親友関係にある。薄一波氏が1979年副首相に任命された後、令計画氏は薄氏との関係で、北京に入り共産党関連組織である共産主義青年団中央の宣伝部でのポストを獲得した。
令計画氏が14年末に中紀委から取り調べを受けて失脚した際に、習近平政権に近いメディアの「財新網」は、「各情報からみると、令計画氏と周永康氏と薄煕来氏はある種の同盟関係にある」と報道した。
ドイチェ・ヴェレ中国語電子版報道は、「令計画氏が中央弁公庁副主任に昇進した2000年は、当時の国家主席である江沢民が胡錦濤氏を後任に指名した時期であり、江に近い薄一波氏からの後ろ盾がなければ、令計画氏は権力中枢に入ることができなかった」との見方を示した。
令計画氏は胡錦濤氏の側近とされていたが、実際には江沢民派閥が胡氏の動きを監視するために派遣した人員である可能性が高かったとの見方もある。
(翻訳編集・張哲)
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