自由にあこがれ…相次ぐ北朝鮮エリートの亡命

2016/08/20
更新: 2016/08/20

北朝鮮エリートの亡命が相次いでいる。韓国メディアによると、在ロシア北朝鮮大使館の書記官が7月に韓国へ亡命した。8月にも在英の北朝鮮外交官が韓国へ渡った。金正恩政権に焦燥感が広がっている。

 「民主主義にあこがれ」高官逃走 支配階層に失望感ひろがる

韓国統一省は17日、 在英北朝鮮公館の外交官テ・ヨンホ氏が韓国の一家とともに保護されていると発表した。同報道官によると、ヨンホ氏は「金正恩政権に疲れており、自由と民主主義の国にあこがれ、子供の将来を心配している」と語っているという。

イギリス外務省と在英北朝鮮大使館はまだコメントを出していない。

ヨンホ氏は、在英北朝鮮公館大使に次ぐ高位にあった。脱北した政府要人では最高クラス。伝えられるところによると、ヨンホ氏の任務は、ロンドンに住む脱北者の監視、英国での北朝鮮の世論操作。英国内でおこる北朝鮮の人権問題批判などに反論する役目を担っていた。

 ロシアの北朝鮮外交官も亡命

ロシアのメディアは19日、在ロシア北朝鮮大使館のキム・チョルソン3等書記官が韓国入りしたと伝えた。妻子と一緒で、亡命とみらている。一家は現在、韓国当局に保護されているという。

伝えられるところによると、チョルソン氏は7月、サンクトペテルブルクの空港から出国し、ベラルーシ、ウクライナを経て韓国入りした。

英シンクタンク「チャタム・ハウス」アジア地区責任者ジョン・ネルソン=ライト氏は英BBCの取材に、北朝鮮エリートの逃走は、北朝鮮の機密情報を多く他国に提供することになると述べた。

公人や民間人とわず、北朝鮮を離れる人は増えている。今年初め、中国遼寧省の北朝鮮レストランで働く12人のウェイトレスは集団で韓国に逃走した。同様のことが陝西省でもおきた。7月中旬、北朝鮮の高官が公的資金およそ4000万円を持ち逃げして、行方がわからなくなっている。7月末、香港でひらかれた国際数学オリンピックに参加した北朝鮮の大学生は、在香港韓国領事館で亡命をもとめた。

韓国統一省によると、今年7月までに814人が亡命し、同期昨年比で15%増加した。

(翻訳編集・佐渡 道世)

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