中国臓器狩り 臓器の強制摘出

移植学会に中国出席「殺人犯の招へいと同じ」=共産党元高官

2016/08/22
更新: 2016/08/22

中国共産党の元老である羅瑞卿氏の次男で、元総参謀部前師級将校の羅宇氏は大紀元の取材に対し、「犯罪者を会議に招へいするのと同じこと」と非難した。

香港で第26回国際移植学会(TTS)が18日から23日まで開催されている。ここに、人道犯罪「強制的な臓器摘出」関与が疑われる中国チームが出席することに、開催前から複数の医師会や人権団体が反対していた。

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中国医師チームの一人には、移植専門医である黄潔夫・元衛生部副部長(元厚生省副大臣に相当)が含まれている。黄医師が衛生部の副部長を務めていた時、中国の臓器移植件数はそれまでと比べて数十倍も増加した。

移植専門医である黄潔夫・元衛生部副部長
(Getty Images)

黄元副部長は2008年、自ら「施術を年500回行った」と話していた。臓器強制摘出に深くかかわる人物として、昨年8月、豪州シドニー大学は同医師に対し、名誉教授職を継続しないことを決めた。

 TTS、臓器狩り調査を受け入れず 

「強制的な臓器摘出」とは、中国で強制収容所の収容者から、本人や家族の許可なく、臓器移植用に臓器が強制的に抜き取られる問題。2006年にカナダの人権弁護士デービッド・マタス弁護士と同国の元アジア太平洋地域担当大臣デービッド・キルガー氏の調査で公にされた。

最近、発表された同専門チームの最新報告によると、2006年から毎年、6万~10万人が犠牲になり、問題は継続しているという。大規模な人道犯罪は、中国が国家ぐるみで行われているとの疑いがある。

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一方、TTSは10年間、この調査報告を受け入れたことはない。会長のチャップマン教授は、「世界の手術数からこの数字はありえない」と調査を疑問視。また、法輪功は、香港行政議会を通じて窮境を訴えているとオーストラリアのSBSのインタビューに答えた。

TTSは、移植大会開幕前の7月31日、中国出席の批判を受けてか、公式サイトで「中国とのつながりを保つ」と文書で関係継続を示唆する文章を発表した。

 中国共産党と民主主義の国 TTSは肩を持つのは…

羅宇氏は、中国医師チームを招いたTTSについて「民主主義理念を持ち合わせてはいない。いずれ臓器狩りに加担した責任を追及される日が来るだろう」と、TTSが中国共産党の肩を持っていると批判。

米国連邦議会や欧州議会では、中国臓器の強制摘出を批判する議案が可決している。羅宇氏はこれを「民主主義のあるべき姿」と称賛した。自身が身を置いていた中国共産党は「ヒトラーのナチスをはるかに凌ぐ、世界中を見渡してもほかにないというほどの想像を絶する悪」として糾弾した。

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 政治家一人、医師一人ではない 国家ぐるみの犯罪

また羅宇氏は、TTSに参加した黄医師の臓器の強制摘出に「誰かの指示に従って移植手術を行っているはず、周永康がよく知っている。しかし周が一人で行ったわけでもない。これは国を挙げての犯罪行為であり、中国共産党の犯罪だ」と分析する。

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臓器の強制摘出については、その移植手術数が爆発的に伸びた2000年から、各地で大量に連行・拘束・行方不明になった法輪功弾圧と時期がかさなるため、「臓器の強制摘出は、法輪功迫害政策の一環」と国際調査チームは指摘している。当時の江沢民主席が法輪功弾圧を決定した。

習近平主席の動向が注目されている。「江沢民や曽慶紅らが犯してきた人道に反する罪に対し、その責任を追及されないのであれば、習近平国家主席も彼らと同じ穴のムジナ。習主席がこの件を解決させることができれば、主席は自らの活路を見出すことができるだろう」と述べた。

(翻訳編集・島津彰浩)