中国共産党はこのほど、第18期中央委員会第6回全体会議(六中全会)を今月24~27日開くと発表した。習政権の反腐敗キャンペーンの強化方針を色濃く反映する「厳しく党内を統制する」などの会議テーマからみると、習氏は党最高指導部の人事を決める来秋開催の共産党第19回全国代表大会(19大)の前に、現最高指導部の高官らをけん制し、江派閥の人員が「19大」中央政治局に入るのを阻止する狙いがあるとみられる。
中国共産党機関紙「人民日報」によると、今回の六中全会において習近平氏が提案した「全面的に厳しく党内統制をすることに関する重大問題」を議論し、『新情勢の下での党内政治生活に関する若干の準則』を制定し、『党内監督条例』を改正するという。
香港メディア「経済日報」(9月27日付)は、情報筋の話として、『準則』などの最大の対象は現在党中央政治局とその常務委員会の25人のメンバーで、来年「19大」で習氏による中央政治局の人事決定が妨害されないことが目的だと示した。また、香港メディア「東網」(10月3日付)は、中国共産党史上最も厳しい『準則』と『条例』はすでに一線から退いた元老も対象だとし、江沢民を強く意識した内容だと示唆した。
米国コロンビア大学政治学博士、中国問題専門家の李天笑氏は、習近平派閥は『準則』と『条例』に基づいた反腐敗キャンペーンで、江派閥の高官が「19大」中央政治局に入るのを阻止することが狙いだと示した。「中国共産党の腐敗はその体制的問題である一方で、江沢民が権力濫用の下で横領や汚職で国家運営をしてきたことも一因だ」「汚職した党内幹部が必ずしも江派閥とは限らないが、江派閥の幹部は必ず汚職に関わるからだ」「今まで失脚した高官のほとんどは江派閥の人員だ」との認識を示した。
習政権は江派閥を睨んだ「党内統制」を徹底し、現在、汚職官僚の取り締まりを加速化している。中国最高人民検察院が9月に同公式ウェブサイトで発表した通告をまとめると、同月に10人の省レベル官員が汚職などの容疑で起訴された。単月として過去最多となった。
中国共産党が前回の『準則』を制定したのは鄧小平政権だ。1980年2月29日、共産党の第11期中央委員会第5回全体会議で同準則は通過した。当時は文化大革命が終わったばかりで、中国共産党は「正常な状態に戻す」と党内の紀律と高官らの態度を改める目的だった。
(翻訳編集・張哲)
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