大気汚染 気候変動

中国、ラニーニャ現象で今年は非常に寒い冬=気象専門家

2016/11/06
更新: 2016/11/06

 中国の気象専門家は、今年の冬はラニーニャ現象により、記録的な寒さだった2012年に並ぶと予測している。

中国科学院大気物質研究所研究員の鄭飛氏は、太平洋の気候現象であるラニーニャ現象により、平年より温度が低いとして、「十分に着込むように」と寒さ対策をうながしている。「東北と西北地域は例年より気温がとても低くなり、特に1月、2月は最も寒くなる」と付け加えた。

10月30日、中国北部の一部地域では零下3度を記録。翌31日には北京、麗江、雲南省で氷点下となり、雪がちらついた。

2012年から2013年の冬季は記録破りの寒波襲来により、中国全土の交通期間と電力に混乱をもたらした。この寒さにより18万頭の牛が死亡した。2008年1月にも、ラニーニャ現象の影響で吹雪が起こり、100人以上が寒さにより死亡し、停電も頻発した。

暖房の使用が政府に規制されている中国

主に石炭燃焼を利用した暖房設備の住居の多い中国では、冬季、大気汚染レベルが急上昇する。そのため、中国では、建物を走るパイプに、重油で温めたお湯を流して室内を暖める暖房設備「セントラルヒーティング」の使用期間が、11月15日から翌年3月15日と定められている。

このシステムの使用期間前は、室内でも寒さに耐えなければならない。中国政府はこれまでのところ、同システム開始時期の前倒しを示唆する発表は出していない。

(翻訳編集・佐渡 道世)