アカデミー賞をジャッキー・チェンに 海外華人から反対の声続出

2016/11/09
更新: 2016/11/09

米映画芸術科学アカデミーは今月12日にアカデミー名誉賞(Governors Awards)を香港アクション俳優ジャッキー・チェンに授与することを発表した。これに対して、民主派の海外華人から反対の声が上がっている。

その理由として、ジャッキー・チェンは中国当局がメディアや映画への検閲、情報統制に同調し、民衆の基本的人権言論の自由が損なわれることに協力しており、この賞が本来持つ意味と背反するからだとした。

2009年アジアのハイレベル会議バオアオ・フォーラムに
出席し、民主主義について発言。
「中国人にはコントロールが必要だ。
そうじゃなければ、やりたい放題だ」(ネット写真)

 

香港「雨傘運動」後に設立された人権団体「香港人権観察(Hong Kong Human Rights Monitor)」もコメントを発表した。ジャッキーは「人権・公民社会・映画検閲などの領域では中国当局の『広報部』と化している」と揶揄し、アカデミー賞の受賞に疑問視している。

反対を示し、授与を取り消す請願書を集めているロサンゼルス視覚芸術家協会の劉雅雅(りゅう・やや)氏は、映像界における政治的プロパガンダに留意するよう指摘する。

「ジャッキーがカンフー映画への貢献したため、受賞はふさわしいと考える人もいるかも知れない」「いっぽう、映画芸術科学アカデミーは、ドイツ・ナチスの独裁を正当化するプロパガンダ映画を作った、優秀な撮影技術と創造性に満ちるドキュメンタリー映画監督レニ・リーフェンシュタール(Leni Riefenstahl)氏を選ばなかった」。

劉氏は、かつて中国共産党政治協商会議委員だったジャッキーにアカデミー賞を与えることは、その言論を認め、中国当局が言論の自由を抑制することが合法であることを認めるに等しいと指摘した。

(翻訳編集・豊山)

 

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