前香港行政長官に有罪判決 香港トップ経験者で初

2017/02/20
更新: 2017/02/20

汚職容疑で起訴された前香港行政長官に、有罪判決が下った。同長官経験者としては初めてのことで、現在、香港当局により前長官の余罪が追及されている。

曽蔭権(そういんけん)・前香港行政長官の汚職事件に関する裁判で、陪審団は2月17日に有罪判決を下した。曽前長官は「公職人員不当行為罪」「行政長官利益譲受罪」の容疑で、最大で懲役7年と罰金刑が下る可能性がある。

曽蔭権前長官は汚職容疑で起訴された。陪審団は「公職人員不当行為罪」の成立を認め、「行政長官利益譲受罪」については更なる審議を要するとしている。曽前長官は保釈金をすでに支払ったという。

曽蔭権前長官は裁決を聞き終わると顔を赤らめ、目に涙を浮かべた。大勢の記者に囲まれながら、曽氏は家族同伴のもと法廷を後にした。上訴をするかどうかについてコメントを得ることができなかった。

曽蔭権前長官の有罪が確定すると、その前長官としてのすべての待遇と福祉を享受する権利が全て剥奪されると指摘されている。そのほか、毎月8万元(約130万円)の退職金と勲章を全て失う可能性もある。

現職・梁振英長官にも収賄の疑い 

香港民主化運動「黄傘革命」で、「離れないと撃つ」と書かれた横断幕を掲げる、
香港の武装警察(Bill/大紀元)

前長官の汚職事件は、香港の最高権力者の汚職や職権乱用問題を浮き彫りにした。すでに退陣が決まった梁振英長官にも、収賄の疑いがもたれている。

2014年、オーストラリアの日刊紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」は、梁振英長官が2011年の香港行政長官選挙の際、選挙費用としてUGL社から5千万香港ドルを受け取り、便宜を図ったと報じた。事実関係が明らかになれば梁振英長官は「賄賂防止条例」第9条違反の疑いで起訴・弾劾される可能性がある。

曽蔭権前長官は2005年に董建華(とうけんか)初代長官の後を継ぎ、2012年まで務めた。退職後は廉政公署(汚職に対抗する独立委員会)に起訴され、今月17日に陪審団から有罪の裁決を受けた。

香港を管理する「国務院香港マカオ事務弁公室」は以前より江沢民派の影響が強く、曽蔭権前長官や梁振英長官も江沢民派との強いつながりが指摘されている。

(文亮)

関連特集: