中国臓器狩り 医療殺人停止に有効か

米大学研究者、DNA検査で身元不明のドナーを特定

2017/06/11
更新: 2017/06/11

中国医療業界では年間数十億ドルの利益をもたらすビジネスとして、臓器移植手術が年間数万件に上るほど「盛ん」に行われている。しかし、この大量の臓器の出所となるドナーは誰なのか、不明のままだ。国際機関フリーダムハウスの報告書では、このドナーは収容所の囚人で、強制的に生きたまま臓器を摘出され死亡しているという。

臓器移植という「医療」を隠れ蓑にした大量殺人が中国で行われている。これを止めるには、ドナーが誰なのか、身元を特定して証拠を挙げる必要がある。このたび、その有効手段とされる方法が、米国臓器移植大会で発表された。

DNA調査でドナーを知る

4月に開かれた同大会で、ワシントン大学医学部准教授・何邁氏は、移植手術を受けた患者の移植臓器のDNA検査をすることで、ドナーについて調べることができると発表した。何邁医師のアイデアは同大学の支持を経て、米国連邦政府から資金を申請中だという。

何邁医師は分子遺伝病理学で、移植患者の臓器の遺伝子データベースを構築することを提案した。一般的に、移植手術を受けた患者は一定期間は通院する。移植臓器の組織片を切り取って、臓器の状態を調べるためだ。

医師と患者の同意を得て、臓器の組織片からDNA標本を採取すれば、膨大な遺伝子データベースを作ることができる。

国際機関の調査で、中国臓器移植で本人の意思に反して強制的にドナーとなった犠牲者の多くは、1999年の弾圧政策開始以来、全国で連行・拘束されたまま行方不明になっている法輪功学習者と指摘。

中国国内で失踪した法輪功学習者のDNA標本を本人が所有していた物や、あるいは家族からDNAを採取し、データベースにまとめる。中国で臓器移植手術を行った患者の移植臓器のDNAとマッチングすれば、中国で「医療殺人」が行われていると示すことができる、ひとつの証拠となる。

人権団体「法輪功迫害を追跡調査する国際組織」(追査国際)の米国代表でハーバード大学医学研究員の汪志遠氏は、この提案が実証科学の手法で「臓器狩り」を示す証拠となると評価した。

(翻訳・揚思)