米司法省22日の発表によると、中国の諜報員に極秘情報を売り渡した疑いと、取り調べで虚偽の供述をしたとして、米国務省・外交保安局の元特別捜査官を「スパイ防止法」違反で起訴した。有罪判決が下った場合、最高で終身刑か死刑を言い渡される可能性があるという。米ABCニュースなどが報じた。
60歳のケビン・マロリー(Kevin Mallory)氏は5月、米連邦捜査局(FBI)の取り調べに対し、中国政府系シンクタンク・上海社会科学院に所属する男性2人から文書を転送するための通信機器を受け取り、報酬として2万5000ドル(約280万円)を受け取ったと報じられている。
マロリー氏は今年4月に中国・上海から帰国した際、シカゴ・オヘア空港で手荷物から現金1万6500ドル(約180万円)を無申告で所持していたため、税関で質問を受けていた。
AFP通信によると、FBIが通信機器を分析した結果、マロリー氏により中国側へ渡された文章のうち少なくとも3部は「防衛情報」に関する極秘情報だという。
マロリー氏は中国の諜報員に送ったショートメッセージで「お前たちの目標は情報を得ることだ。私は報酬を得ることだ」と伝えていた。中国側は政府関係の仕事に再び就くようにマロリー氏を強く説得していたという。
流暢な中国語を話せるマロリー氏は、米国内のほかに、中国や台湾、イラクなどで働いたことがある。米陸軍から退役した後、1987年から1990年にわたって米国務省の外交保安局で務めており、米国家安全に関わる機密文書を扱っていた。同氏は多くの政府部門への転勤を経て退官した。その後も、国防総省から仕事を請け負っていた。現在はコンサルティング会社を経営している。
(翻訳編集・王君宜)
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