海外ドラマや映画を配信する中国国内の映像コンテンツ配信サービスサイトは、最近、多くの映像が視聴できなくなった。当局が、海外のエンタメ文化の流入を一時的に引き締めているとみられている。背景には、今秋予定の共産党指導部メンバーが決定する「19大」に関係しているとの見方がある。
中国国内メディア「騰訊 (テンセント)娯楽報道」7月12日付によると、映像配信サイト「Bilibili(通称:B站 )」で、日本ドラマの本数が視聴できなくなったほか、一部の欧米ドラマもアクセス不能となった。多くのネットユーザはその不具合を訴えた。
B站では英国、ノルウェー、タイなど海外ドラマを配信し、動画の再生回数は毎日1億を超えていたとされる。ユーザの7割は24歳以下の若者。B站は13日夜、マイクロブログ・微博の公式アカウントで「現在、サイト内容のルールについて審査中」とコメントした。
その他、同様のサービスを展開する「AcFun(通称:A站 )」でも、海外コンテンツが見られない状態になっている。また「毎日経済新聞」は、A站 、 B站は大量のドラマを削除され、微博で掲載された海外番組の動画も同様に消えていると報じた。
海外ドラマを配信するウェブサイトは、中国の若者たちによる「しゃべり場」となっていた。若者たちは、動画をアップしたり編集したり、内容について頻繁にコメントを交わすことができ、日本の人気動画配信サイト「ニコニコ動画」のような雰囲気があった。
香港メディア「経済日報」は同日、「19大」を控え、中国当局は海外の娯楽文化の流入の管理を強化している、と報じた。著作権が原因との見方もある。
これらの一連の海外エンタメ規制に先立って、中国共産党国家広播電影電視総局は6月22日、AcFunなどの動画配信サービスのサイトを閉鎖するとの要求を通知していた。これに対して、 AcFunは「全面的なサイト内容の改善を行う」と応じた。Bilibiliは、7月5日から実名認証を経たユーザのみ、動画の編集が許可される、という方針を示した。
(翻訳編集・佐渡道世)