北京市当局が人口抑制や都市整備を理由に、地方に戻すよう地方出身者への追放を強化した。当局は、個人商店を営む多くの地方出身者に対して、違法建物として強制に店舗を取り壊した。
市当局は今年春に、市内から地方出身者を追い払う方針を決めていた。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)(3日付)によると、市統計局が発表したデータによると、2016年末から20年までに、市内常住人口を1244万人から1085万人に減少させる計画だ。
北京市はこのほど、すべての市轄区に対して、地方出身者の人口をさらに抑制するよう要求した。
なかには、東城区は2020年までに、区内の人口を現在の水準から14万人を減少させる。西城区では将来5年以内、地方出身者人口を20万人減らすとともに、区内にある数か所の農産物露天市場を取り壊す計画を立てている。海淀区はむこう5年以内、50万人の人口減少目標を達成する必要がある。同区の8社の工業企業と12カ所の市場は区内からの撤退を決めた。
また、順義区など北京郊外の市轄区も、地方出身者への厳しい流入制限を指示された。大興区の求賢村では、地方出身者向けのアパートの賃貸料は毎月2000元(約3万2000円)に引き上げられた。現在、農民の平均年収が10万円程度とされている。賃貸の引き上げで、地方出身者が北京で生計を立てることはほぼ不可能になった。
一方、当局の追放計画に詳しい情報筋はRFAに対して、北京の「奥北農貿市場」だけで、強制撤去によって各店舗では合計6000万元(約9億6000万円)の損失を被ったが、当局は店舗が違法建築だと主張し、補償金の交付を拒んだと話した。
しかしこの情報筋によると、建物の取り壊しは比較的に少ないという。「多くの場合は、当局は建物にテナント募集の貼り紙を貼ってから、そこに住む住民を無理やりに追い出すのだ」と述べた。
6月23日、北京動物園服装卸市場や億客隆服装商品市場の数百人の店舗経営者がそれぞれの市場で、市当局に対して、店舗の強制解体と補償金の不払いに強く反発して、抗議活動を行った。警察当局によって鎮圧された。
市当局は、地方出身者を社会不安の要因と見なして、今後取り締まりを強化する可能性が高いとみられる。
(翻訳編集・張哲)
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