米国ワシントンDCで8月17日、3年ぶりとなる日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)が開催された。トランプ政権の下での初めての開催となる。北朝鮮による核ミサイル脅威や、東シナ海や南シナ海など、アジア太平洋地域の安全保障が一層厳しさを増す中、日米同盟を更に強化する意図を確認した。
日本側からは河野太郎外務大臣と小野寺五典防衛大臣が、米側からはレックス・ティラソン国務長官及びジェームズ・マティス国防長官がそれぞれ出席した。
共同発表で双方は、日米同盟について「アジア太平洋地域の平和、繁栄、及び自由の礎」と表現。 喫緊の課題である北朝鮮の核ミサイル開発について、最も強い表現で非難し、圧力をかけ続けることで一致。非核化に向けた抑止・対処のたの同盟能力の強化を図る。
また、北朝鮮の動きに対して、中国とロシアに更なる役割を果たすよう求めていく。
4閣僚は、南シナ海と東シナ海における安全保障環境に関し、継続的な懸念を表明した。共同発表では、日米安全保障条約が尖閣諸島に適用されること、また、日米両国は、同諸島に対する「日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動」にも反対するとした。
さらに「埋め立てや係争地の軍事化など、緊張を高める威圧的な一方的行動への反対」するとした。名指しは避けたものの、同地で人口島や軍用とみられる滑走路の建設が疑われている中国を念頭に置いているとみられる。
会談の中では、2016年7月、ハーグの仲裁裁判所が下した、中国が主張してきた歴史的権利について「国際法上の法的根拠がなく、国際法に違反する」とする判断についても取り上げ、海洋紛争について国際法の遵守の重要性を改めて示した。
参考記事:中比首脳会談、南シナ海問題で火花 中国「軍事行動も辞さない」 判決後旅客機テスト発着を実行、今後も人工島建設続くか
アジア太平洋地域の他国の安全保障・防衛についても、米国による関与の更なる高まりを示す内容となった。共同発表では、日米韓3か国訓練(ミサイル警戒、対潜水艦、海上阻止)を拡大し、情報共有の強化。また、東南アジア諸国への能力構築支援や防衛装備・技術移転を一層強めていくことを確認する、と記した。
(翻訳編集・佐渡道世)
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