[タリン 28日 ロイター] – ドイツのメルケル首相は28日、フランスのマクロン大統領が提唱する野心的な欧州連合(EU)改革案を称賛し、EUの将来を見据えた仏独の「強固な」協力関係の基礎になる可能性があるとの見方を示した。
メルケル氏とマクロン氏は、エストニアの首都タリンで開幕したEU非公式首脳会合の夕食会前に会談。メルケル首相は会談前に記者団に対し、「(マクロン氏の)提案に関しては、ドイツとフランスの間には高いレベルの合意がある」と強調。
「詳細を詰める必要があるが、欧州はじっとしているわけにはいかず、発展を続ける必要があると強く認識している」と述べた。
マクロン氏は26日にパリで行った演説でEU加盟国間の防衛協力やユーロ圏共通予算の創設を柱とする改革案を示した。
同氏は夕食会で改革案について詳細に説明したが、参加国の首脳からは慎重な反応が示された。
一方、ドイツでは24日に連邦議会(下院)総選挙が行われたばかり。メルケル氏は4選を確実にしたが、首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の得票率が大幅に低下したことを受けて、連立政権樹立に向けた協議は難航する見通し。
EU非公式首脳会合ではサイバーセキュリティー対策やインターネット大手への課税など「デジタル化対応」が主要議題となる。夕食会は議題を決めず自由な議論が行われる見通しとなっていた。英国のメイ首相も出席した。
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