[ロンドン 6日 ロイター] – 英国のグラント・シャップス元保守党議長は6日、メイ首相は党首選を実施すべきだと述べ、最大30人の議員が党首辞任を支持しているとの見方を示した。一方、一部の閣僚はメイ氏の続投を支持する立場を表明し、同氏の進退を巡る党内対立が鮮明になった。
シャップス元議長はBBCラジオ5で「メイ首相は党首選を行うべきだ」とし、6月の総選挙敗北や閣内の不一致、党大会の状況などを踏まえると「悪い予兆がある」と述べた。
閣僚経験者5人を含め最大30人の議員が党首交代を支持しているとした。ただ、必要な数が集まるかどうかは不透明だと述べた。
党首選実施には48議員による書面での要請が必要になる。
一方、ラッド内務相はテレグラフ紙に寄稿し、メイ氏の続投を支持する立場を表明。政権ナンバー2のグリーン筆頭国務相もBBCテレビで「メイ氏はこれまでと同様に強い決意で職務を遂行する。それが自身の責任だと考えており、引き続き職務を遂行し、政権を成功に導くだろう」と述べた。
大衆紙サンがメイ氏の交代を支持する議員の話として伝えたところによると、現時点で党首選実施に必要な支持は集まっていないという。
党をまとめられる明確な後継者が不在であることに加え、保守党関係者の間では、党首選を行えば欧州政策を巡る党内の不一致がいっそう深刻になるとの懸念が強い。党首選が総選挙の引き金になり、労働党に勝利をもたらしかねないとの不安もある。
保守党のスポークスマンのコメントは得られていない。
シャップス元保守党議長は6日、メイ首相に代わる党首の選任を支持する30人の議員の中には欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)支持派も反対派も含まれると明らかにした。
同氏はBBCラジオで、さまざまな議員がメイ氏の辞任を求めているとし、「EU残留派もいれば離脱派もいる」と言明。「彼らが特定の候補で自動的に合意することは決してない。特定の個人を後押ししようというものではない」と述べた。
こうした動きを受け、離脱支持派のゴーブ環境相は、メイ氏が首相の座にとどまることを望むとの立場を表明した。
ゴーブ氏はBBCラジオで「メイ氏には首相の資質があり、これまで首相として優れた仕事をしてきた」とし、「この先何年にもわたりメイ氏が英国の首相を務めることを望む」と述べた。
メイ首相は4日、保守党大会で基調講演を行ったが、演説中にせきが止まらなくなり、何度も水を飲んだり、ハモンド財務相から喉あめを渡される場面も。コメディアンが、英国の離職票である「P45」を首相に差し出すハプニングもあった。
背後に貼り付けてあったスローガン「皆のための国を作り上げる」の一部の文字が外れて落ち、ツイッターでは、保守党の「のり」は党内を貼り合わせて結束させることもできていないと皮肉られた。
*内容を追加しました。
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