習近平党が2012年11月に就任してから、反腐敗運動で約200万人以上の汚職幹部を処分したことがわかった。共産党体制下の腐敗の深刻さが浮き彫りになった。
中国共産党中央紀律検査委員会が7日、公式ウェブサイトで公表した資料によると、習近平氏が12年11月から今年6月まで、汚職腐敗で処分を下した「郷科級およびそれ以下の党員幹部」が134万3000人で、「農村部党員幹部」は64万8000人。
また、この5年間に、当局は党中央組織部が直接管理する高級幹部「中管幹部」280人、庁局級幹部8600人と県処級幹部6万6000人に対して、調査し処分を下した。当局が処罰した各レベルの党幹部の数は206万5800人余りとなった。
幹部らが私腹を肥やした金額もおびただしい。12年11月以降反腐敗運動で失脚した高級幹部の中に、収賄金額が1億元(約17億円)に上った省部級の幹部は12人いた。中国当局最高指導部の中央政治局常務委員だった周永康と軍制服組元トップの郭伯雄は、収賄・横領で不正蓄財した金額はそれぞれ1000億元(約1兆7000億円)以上と言われている。しかし、当局は具体的な金額を発表していない。当局が、公表すれば国民から強い反発を招き、共産党政権を揺るがしかねない事態に発展するのを恐れているとみられる。
さらに、国有企業の党員幹部らの汚職ぶりには目を見張るものがあった。河北省秦皇島市北戴河区水道供給総公司幹部の馬超群氏や湖南省高速公路投資集団元副社長の彭曙氏はそれぞれ1億元の金品を受け取った。
中国の経済学者周有光氏(故人)は生前、「深刻な腐敗の原因は汚職官幹部にあるのではなく、共産党の専制政治にある。民主制度では、政府官僚が汚職すれば国民から選ばれなくなる。しかし専制政治では、このようなことは起こらない」と批判したことがある。
2015年4月、貴州省凱里市の洪金洲・元市長(庁局級副職)が1億2000万元(約19億2000万円)の収賄容疑で、当局の取り調べを受けた際、「公務員なら無能なバカでも金が集まる」「権力を手にした者には、黙っていてもカネが集まってくる」と話した。中国の深刻な腐敗問題の核心を突いた発言だ。
(翻訳編集・張哲)
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