[ドバイ 29日 ロイター] – イランのロウハニ大統領は29日の議会演説で、防衛目的のミサイル製造を今後も継続する方針を表明するとともに、これは国際合意違反には当たらないとの見解も示した。演説は国営テレビで放映された。
ロウハニ氏はまた、同日にテヘランで国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長と会談した。
大統領は議会で「われわれはこれまでも、現在も、今後もミサイルを製造する。これは国際合意違反には当たらない」と述べた。
米下院は前週、イランの弾道ミサイル開発に抗議して対イラン制裁強化法を可決したばかり。トランプ米大統領はまた、今月半ばに、イランと米欧など主要6カ国が2015年に締結した核合意をイランが順守しているとは認めないと述べた。
ロウハニ氏は核合意を巡るトランプ大統領の対応を批判。「過去の交渉や国連安全保障理事会が認めた合意を無視して、諸外国と交渉などできるだろうか」と強調。国名は挙げず北朝鮮が念頭にあることを示唆したうえで、「米国はこれまでの行動が原因で、諸外国との今後の交渉や合意ができなくなった」と語った。
IAEAの声明によると、天野事務局長はロウハニ氏のほか、イランのサレヒ原子力庁長官とザリフ外相と会談。天野氏は、イランによる核関連合意の順守や核検証における15年核合意の重要性を改めて確認。また、合意を持続させるにはイランによる完全履行が必要だと強調した。
トランプ氏の方針表明を受け、米議会は60日以内に、核合意により核活動抑制の見返りとして解除された対イラン経済制裁を再度発動するかどうか決定する。
イラン国営通信(IRNA)によると、サレヒ氏は会談後、天野氏から新たな査察を求められたか問われ、「そのような要請はなかった」と述べた。また、イランは濃縮度20%の高濃縮ウランの製造を4日以内に再開することもできるが、核合意の崩壊は望んでいないと語った。
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