[ブリュッセル 7日 ロイター] – 英国を除く欧州連合(EU)加盟国が8日、ブレグジット(英EU離脱)後の移行措置について外交官らによる準備協議を開く見通しであることが、EU当局者らの話で明らかになった。
当局者らによると、2019年3月に予定されるブレグジット後に2年間の移行期間を設け、その間は英国にEU単一市場へのアクセスを認める可能性について話し合われるとみられる。英国を除く27加盟国による初めての「準備討議」となる。
ロイターが確認した資料によると、8日の議題は移行措置の「範囲」と「期間」となっており、EU単一市場や他の諸制度への参加を認める期間や範囲が含まれる。
複数の当局者らはロイターに対し、英国は移行期間中に全てのEU法を順守する必要があると語った。英国内で移行期間中に法改定が行われても影響することはないとした。
1人の当局者は「これ以外のやり方は複雑過ぎて無理だろう」と語った。
8日の会合はまた、移行期間後の英国との通商関係について各国が意見を出し合う狙いがある。移行期間は20年12月に終了する可能性があり、期間7年のEU現行予算が終わる時期と重なる。
EU側は前月の首脳会議で、清算金など離脱条件について英国が譲歩しなければ通商を含む将来の関係を協議することはできないとの立場を示したが、12月の首脳会議で次の段階に協議を進める可能性もあることも認め、実務者による準備討議に入るよう各国に指示した。
英国のデービスEU離脱担当相はブリュッセルで10日、メイ首相とともに、10月の首脳会議以降初めての離脱交渉に臨むが、清算金の問題で進展は見込まれていない。離脱条件を巡る交渉の停滞を受けて、12月の首脳会議でEU側が再び通商協議入りを拒否する可能性もある。ただ、当局者らによると、一部の加盟国は通商協議の先送りについて、企業の国外移転を回避したいという英国に対して交渉を有利に進める有効な戦略と見なしているという。
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