[ワシントン/エルサレム 5日 ロイター] – トランプ米大統領は6日、エルサレムをイスラエルの首都と認める演説を行い、米国大使館をエルサレムに移転する作業を開始する。複数の米政府高官が明らかにした。
米国のこれまで数十年間の政策を転換する決定であり、中東での対立を激化させる恐れがある。
演説は6日東部標準時間午後1時(1800GMT、日本時間7日午前3時)に行われる。
米政府高官によると、トランプ大統領は演説で、大使館をテルアビブから移転する計画を進めるよう国務省に指示したと表明する。移転プロセスは3─4年かかる見込み。大統領は移転作業のスケジュールを示さない見通し。
トランプ大統領は、大使館移転を当面先送りする文書に署名する。大使館が入る建物をエルサレムでまだ確保できていないほか、外交官の安全対策や住宅の手当てができていないためという。
政府高官は演説に先立ち記者向けブリーフィングを行い、大統領の決定は選挙公約を果たすものであり、エルサレムの帰属問題などについて早まった判断をする意図はないと説明した。
ただ、高官の1人は大統領の決定について、ユダヤ教の中心地としてのエルサレムの「歴史的事実」、およびイスラエル政府の中枢という「現代的事実」を反映したものだと主張した。
トランプ大統領からの電話を5日に受けたパレスチナ自治政府のアッバス議長、ヨルダンのアブドラ国王、エジプトのシシ大統領、サウジアラビアのサルマン国王はいずれも、米国の一方的な措置が中東和平の取り組みを阻害するとして警告した。
ホワイトハウスによると、トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相とも電話で会談した。
ただ、ネタニヤフ首相のオフィスは電話会談後に声明を発表しなかった。あるイスラエル政府高官はトランプ大統領の決定を歓迎したほか、いかなる暴力の発生にも備えると語った。
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