[ソウル 13日 ロイター] – トランプ米大統領は先週、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と会談する意向を表明した。北朝鮮国営メディアは今のところ、金委員長がトランプ大統領に首脳会談を提案したとするニュースを伝えていないほか、韓国と米国の当局者も首脳会談の開催場所・時期については決まっていないとしている。
史上初の米朝首脳会談の開催場所を巡っては憶測が飛び交っている。候補に挙がっている開催地は以下の通り。
<板門店の共同警備区域>
最も可能性が高いとみられている場所の一つが、南北軍事境界線をまたぐ板門店の共同警備区域(JSA)だ。韓国の大統領府筋も「真剣な選択肢」としている。
一部では共同警備区域は朝鮮戦争、および緊張が続いていることのシンボルだとして米朝首脳会談の場に似つかわしくないとの見方もある。
しかし、両首脳それぞれの警備部隊からそれほど離れることなく、4月の南北首脳会談も共同警備区域で開催されることから韓国当局者にとっては最有力となっており、同筋は「分裂のシンボルを平和のシンボルに転換するという重要な意義がある」としている。
<韓国・済州島>
韓国内で他に候補として挙がっているのが済州島。朝鮮半島から船でも飛行機でも簡単にアクセスできるためだ。
金委員長の父親である故・金正日総書記は飛行機嫌いで知られるが、委員長自身は飛行機から降りる姿が映された写真が公表されている。
<欧州>
欧州ではスイスやスウェーデンを含む複数の場所が中立地として候補に挙がっている。両国ともに仲介役として国際的に評価が高く、南北の休戦を監視する中立国監視委員会のメンバーだ。
金委員長が1990年代にスイスに留学していたとの情報もあり、スイス外務省は米朝間の対話を支援する用意があり、双方とも接触していると明らかにしている。
スウェーデン首相も支援の用意があると表明しているほか、同国メディアによると、北朝鮮の外相が近くスウェーデンを訪問する。スウェーデンでは過去に非公式協議が開催されたこともある。
<アジア>
北朝鮮から近いアジアでは北京、シンガポール、ハノイ、ウランバートルなどが候補地として取り沙汰されている。
北京では過去に北朝鮮問題を巡る6カ国協議が開かれているが、最近では中朝関係が冷え込んでいるほか、トランプ大統領が主要なライバルである中国に一定のスポットライトが当たるのを避けたいと考える可能性があるとみられている。
<平壌かワシントン>
相手国の首都を訪問するのは金委員長、トランプ大統領の双方にとって批判を受けるなどのリスクがあり、より中立な場所に設定されるとの見方が大勢だ
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