[モスクワ 19日 ロイター] – 18日投票のロシア大統領選挙で再選を決めたプーチン大統領は19日、ロシアには軍拡競争を繰り広げる意図はなく、他の国との間の相違の解決に最大限努めるとし、亀裂が広がっている西側諸国に対しソフトな姿勢を示した。
開票率ほぼ100%の段階でプーチン氏の得票率は76.69%。2位のロシア共産党のパーベル・グルジーニン氏(得票率11.8%)、3位の自由民主党のウラジーミル・ジリノフスキー党首(同5.6%)を大きく引き離して勝利した。野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏は出馬できなかった。
プーチン氏の獲得票数は5600万票を超え、プーチン氏自身の記録も超えたほか、ソ連崩壊後のロシア主導者としても最高となった。
今回の選挙について欧州安保協力機構(OSCE)の選挙監視団は、基本的な自由や候補者登録が制限されたことなどで競争が阻害されていたと指摘。「今回見られたように真の競争が欠如した選挙は真の選挙ではない」との見解を示した。
プーチン氏はこの日、大統領府で開いた他の候補者との会合の場で、国際問題でなく国内問題に注力し、防衛費を削減する一方で教育、インフラ、医療保健への投資を拡大し、ロシア国民の生活水準の向上に努める方針を表明。「軍拡競争の加速化を計画している者はいない」とし、「政治的、外交的手段を通し、パートナーとの間の相違を解決するために全力を尽くす」と述べた。
プーチン氏は65歳。1999年から大統領もしくは首相として実権を握ってきたが、今回の再選により任期は2024年までとなり、任期満了まで務めれば旧ソ連の指導者スターリンに次ぐ長期政権となる。
カーネギー・モスクワ・センターのシニアフェロー、アンドレイ・コレスニコフ氏は、プーチン氏が基本的に1人で進めているプロジェクトによりシステムが複雑になっているとし、「プーチン氏が実権を握っている期間が長くなればなるほど表舞台からの退場が難しくなる」との見方を示した。
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