河北省の銀行、妊娠・出産に「事前申請制」 違反者が解雇か中絶

2018/11/22
更新: 2018/11/22

中国河北省にある商業銀行大手では、女性従業員に対して妊娠の事前申請承認制を実施しているという。違反者は解雇処分を受けるか、または人工妊娠中絶するかを選択しなければならない。中国紙・新京報などが20日報道した。

国内複数のメディアによると、河北省石家荘市の商業銀行に勤める女性行員が10月末、市の労働当局に相談したことで問題が発覚した。

同行は毎年1月、女性行員からの事前妊娠申請を受け付けている。申請せず妊娠してしまった場合、罰則を受けることになる。市当局に相談した女性は、今年1月に申請を提出せず、その後、不意の妊娠をした。銀行側がこの女性に、処罰を選ぶよう催促し、女性は解雇処分を選んだという。同様に処罰を受けた行員は、他に2人いる。

国内メディアの報道によると、市労働当局からの指摘を受け、銀行は女性社員らへの処分を取り消した。

インターネット上では、銀行側が女性社員らの妊娠出産の権利を甚だしく侵害したとして、高い関心が集まった。

国内人口学の専門家、何亜福氏はソーシャルメディア「微博」で、同銀行の規則について「非常におかしい、当局の二人っ子政策に違反している」と書き込んだ。

石家荘市に住むネットユーザーの李さんは米ラジオ・フリー・アジアに対して、中国当局の一人っ子政策や二人っ子政策を非難し、「当局の一存で、中国人女性の妊娠と出産が決められている。中国の体制は専制政治にほかならない」と述べた。

また、ネット上では「中国の女性は、子どもを産む機械としか見なされていない。計画通りに必要な数だけを産んでいる」との意見もあった。

10月下旬にもある幼稚園で女性保育士の「順番に妊娠する」制度が実施されていることが報じられ、大きな話題となった。

中国紙・検察日報(10月24日付)による、この幼稚園では人手不足のため、経営陣は二人目の子どもの出産を望む女性保育士に対して申請を提出させている。申請を審査した後、幼稚園側は妊娠の順番を付けて発表している。ある保育士が事前に申請せず妊娠したため、解雇された。

この「保育士の割り込み妊娠」の話題は一時、「微博」の検索ランキング1位となった。

ネットユーザーらは、「妊娠の順番を付けられて、一番前に並んでいる人がなかなか妊娠できなければ、その後に並んでいる人はどうすればいいの?」「順番に妊娠するって、人間性のかけらもないことだ」「中国女性が妊娠・出産するのに、順番待ちをしなければならないと海外まで報道されたら、大恥をかくことになる」などの声を上げた。

(翻訳編集・張哲)