[北京/ワシントン 7日 ロイター] – 米中次官級通商協議が7日から北京で開かれる中、ロス米商務長官は同日、双方が受け入れ可能な合意を得る可能性は高いとの認識を示した。
長官はCNBCとのインタビューで、当座の通商問題は取り組みやすいが、知的財産権保護や市場アクセスといった法執行や構造改革に関わる問題の解決は困難だと指摘。一方で「中国や米国が受け入れ可能で、重要問題全てに対応する妥当な解決を得る可能性は非常に高い」と語った。
これに先立ち、中国外務省は、通商問題の解決に向け中国は米国と「誠意」を持って取り組んでいると強調。陸慷報道官は両国首脳が得たコンセンサスに沿って経済・通商問題を解決すべく「前向きかつ建設的」な協議と対話を行うことで一致したと述べた。
さらに「われわれは最初から、米中貿易摩擦が両国や世界の経済にとってプラスでないと確信していた。中国は相互への尊重と対等な立場でもって通商問題を解決する用意がある」とした。
トランプ米大統領は6日、中国との通商協議は非常に順調に進んでいると述べた上で、中国の経済状況が軟調であるため、同国政府は合意に向けて取り組んでいるとの考えを示した。
シカゴ穀物市場のトレーダーによると、7日の協議終了後に中国の輸入業者はここ1カ月で3回目となる米国産大豆の大規模な買い付けを行った。
中国外務省の陸報道官は、中国の王岐山国家副主席がスイス・ダボスで1月下旬に開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席する予定だと明かした。ただ、トランプ大統領との会談が計画されているという話は聞いていないという。
米中次官級通商協議は8日も行われる。
協議に詳しい関係者によると、次官級という設定にも関わらず7日の会合には、これまで中国側で通商協議を主導してきた劉鶴副首相が予想外に姿をみせた。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは電子版に、リークされた協議の写真を掲載。劉氏の登場に拍手を送る米通商代表部(USTR)のゲリッシュ次席代表ら米交渉団の姿が写っている。
別の写真では、何十人ものメンバーで構成する米中それぞれの代表団が3つの長いテーブルに互いに向き合って座る姿があり、参加者の数が過去の協議を大きく上回っていることが分かる。
米代表団はゲリッシュ氏が率い、農務、商務、エネルギー、財務の各省の幹部やホワイトハウスの高官が含まれている。
ポンペオ米国務長官はCNBCに対し、米国と中国は通商を巡り「進展している」との見方を示した。「影響が大きいサイバー活動にせよ、米企業に痛手を与えてきた知的財産の窃取にせよ、われわれが望まない中国の行為全てについて進展があることを期待している」と語った。
*内容を追加しました。
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