中国で不当に扱われた人々のために戦ってきた人権弁護士 7年間不当に迫害

2019/03/04
更新: 2019/03/04

中国は言論や集会 信仰の自由を認めてはいるのですが、現実では国民はそういった自由は許されず、裁判所でもそういった自由を認めていません。

これは現状を打開しようと戦ってきた中国人の人権擁護弁護士の話です。

王永航(ワン・ヨンハン)は遼寧省で弁護士を始めた頃はまだ無名でした。なんとかやり繰りをする生活でしたが、不当に扱われて困っている人々の依頼を無償で引き受けることもありました。次第に法輪功の学習者たちを擁護する弁護士として知られるようになります。

法輪功は瞑想を実践し、中国に古くから伝わる気功で精神を鍛える集団です。中国にいる何万人もの人々が法輪功の教え「真・善・忍」を学習しています。そのために学者者たちは中国当局に中傷され、1999年以降からは本格的に迫害されるようになりました。

ワンの妻も法輪功の学習者でした。2007年 ワンは法廷で学習者たちの弁護を始めます。なんの罪も犯していない学習者たちが続々と逮捕されるようになったからです。

当時 法輪功の学習者たちを擁護する弁護士は極まれでした。多くの弁護士は迫害に対する弁護に携わることを恐れていたのです。

ワンは法廷で依頼人の代理を務める権利を奪われ、ワンの依頼人たちも他の弁護士に依頼する権利すら奪われました。

ワンにとって人権侵害を犯す法制度は受け入れ難いものです。しかし不正の温床となっているため ワンの人生が翻弄されることになります。

2008年4月、上海でワンの妻が違法に警察に拘留されました。留置所にいる妻を接見するため、上海の弁護士事務所に依頼すると、ことごとく断られてしまいました。法輪功の学習者たちの弁護をすると当局に目を付けられると、危険を感じていたからです。

ワンは国家元首に対する声明文を公開することにしました。声明文には法に則って妻を釈放し 法輪功への迫害を直ちに止めること。また、 法輪功の学習者たちに対する迫害および判決などは法的根拠を持たないものだと記しました。

ワンの声明文はエポックタイムズに掲載されました。当局に対する声明文を公開したことで、妻は釈放されましたが、遼寧省の司法局はワンの弁護士免許をはく奪し、その上報復の対象者としました。そういう状況下にもかかわらず ワンは法輪功の学習者たちの弁護活動を続けました。

2009年6月、法廷で法輪功の学習者叢日旭(ツォン・リーシー)さんの弁護をしました。このことがきっかけで共産党の怒りを買いました。それから数週間後、ワンが友人宅で仲間たちと昼食を取っていると、大連の私服警官が何人も押し入ってきて、13人が逮捕されました。中には大連海洋大学で美術を教えていた馮剛(フォン・ガン)教授の姿もありました。

その1か月後に馮剛教授は不審な死をとげます。家族は教授の遺体を凍らせ、司法解剖を要求しました。

警察署ではワンは非道な拷問にかけられていました。片方の足首を骨折しましたが 手当てはされずそのまま放置されたために、感染症を引き起こし、広がってさらに悪化しました。

11月後半、大連市にある地方裁判所で判決が下されます。ワンは法輪功の学習者たちを弁護したかどで禁固刑7年を言い渡されました。表向きは「法律の施行の妨害」でした。これが法輪功の学習者達を弁護してきた人権擁護弁護士に対する裁決です。

違法な裁決に異議を唱えるため、ワンはハンガーストライキを続けました。そのために留置所では強引に食べさせられ、両手は後ろ手に手錠をかけられ、30時間以上そのままで放置されました。

2010年4月、遼寧省の省都 瀋陽市にある第一刑務所に移送されます。数日後、看守が2回にわたり数人の囚人たちをけしかけてワンに壮絶な暴力を振るいました。

看守は時折 囚人たちに命令して法輪功の学者者たちを虐待します。夏にはワンはシャワーを浴びることや 洗濯をすること、洗顔や手足を洗うこと、トイレットペーパーの使用すら禁止されました。

さらに毎日午前6時から午後10時まで木製の椅子に座らされ、夜にはトイレに行くことすら許されませんでした。刑務所でも喉が詰まっても強引に物を食べさせられたために、呼吸器官から出血し 窒息死する寸前でした。

また13日間続けて食事や睡眠を与えられない時もありました。長期に及ぶ虐待や放置で ワンは危篤状態に陥りました。うっ血を伴う肺炎を引き起こし、腹部には分泌液が溜まるなどの症状に苦しみました。また下半身が麻痺し、衰弱しきって言葉を発することさえできませんでした。

2016年7月3日、釈放される日、看守は地方行政局からの通達を待っていると言って、ワンを中々釈放しませんでした。地元共産党委員会の人々が引き取りに来たので、ようやく釈放されました。

しかし自由になったわけではありません。地元共産党委員会や警察は四六時中見張るために、ワンの自宅内外に赤外線カメラを設置しました。

7年間の獄中生活で法輪功の学習者5人が拷問により亡くなりました。保釈直後に亡くなった学習者もいました。

ワンの事例は2010年の拷問、その他非人道的虐待および処罰の国連特別報告者に組み込まれました。

ワンのケースは、これまでに中国で迫害されてきた数えきれないほどの法輪功の学習者たちやその家族、支援者たちの一例にすぎません。現在もなお 中国では迫害が続いています。

法輪功または彼らに対する迫害についての詳しい情報は、法輪功インフォメーションセンターサイトfaluninfo.netでご覧ください。

これは現在もなお続く中国共産党による人権侵害を認知してもらうための動画です。

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※エポック・メディア・グループ 新唐人より転載 元記事リンクはこちら