日本外務省の関係筋によれば、債務超過に陥っているアフリカ諸国に対して、日本から金融専門家を派遣する方向を固めた。アフリカでは、中国政府主導の広範囲経済政策・一帯一路プロジェクトの「債務トラップ」で財政が脆弱になり、中国共産党の政治的影響力が拡大している。日本は、これに反発する現地社会から支持を得ることを狙う。
共同通信の取材に答えた外務省関係筋は12日までに、日本からの専門家の派遣は、2019年8月に横浜で開催されるアフリカ開発会議(TICAD)で正式に発表される。
日本は2019年6月に開催されるG20サミットで、開発援助の主要原則として腐敗防止や債務管理を含む開発援助に関する新たなガイドラインを提案する予定。伝えられるところによると、アジアとアフリカのインフラ計画に関しては、国際基準を順守するべきだと提起する。
ユーラシア大陸の陸路と海路に中国主体のルートを設ける中国一帯一路構想は、60以上にも及ぶアジア、アフリカ諸国にインフラ計画を結んだ。しかし、西側諸国から「債務トラップ」「借金漬け」「新植民地主義」などと例えられ、批判されている。
中国のインフラ計画や融資構造は、しばしば機密にされる。また労働力や原材料、建設企業、融資まで主に中国から提供されるため、契約を結んだ当地の経済規模と合致しないと非難されている。
マイク・ポンペオ米国務長官は、中国の一帯一路は、単なる経済構想ではなく、政府主導の低コスト競争および略奪的な融資を伴うものだと警告している。
フランスのマクロン大統領は3月に訪問先のジブチで、中国の経済的な影響力の増大は、アフリカ諸国の主権を脅かす可能性があると警告した。また、中国の融資に依存するのは長期的には危険だと述べた。
今年の初め、ケニアのメディアは、秘密扱いの鉄道プロジェクトで中国とのローン契約内容を明らかにした。そこには「借り手(ケニア側)は、資産と主権の保護を理由に借金を帳消しにする権利はない」と記載されていたと伝えた。
日本のメディアは、安倍政権は中国の債務トラップによる地元の問題を把握するために、できるだけ早くアフリカの専門家を金融機関や財務省に派遣することを望んでいると報じた。日本は、アフリカにおける日本の影響力を高め、日本企業がアフリカに参入するための環境改善を望んでいる。
(翻訳・佐渡道世)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。