トロントのドン・バレー北選挙区から選出された中国系国会議員Geng Tan(譚耕)氏は6月16日、今年10月の選挙に出馬しないことをフェイスブックで明らかにした。
カナダメディア「The Hill Times」によると、譚氏は所属する自由党からすでに指名されていた。それだけに今回の引退宣言は衝撃的だ。
同氏は出馬しない理由について、家族と過ごす時間を増やしたいからだとした。
初の中国本土系国会議員
2015年に行われた総選挙において、譚氏は自由党候補者として当選し、カナダ史上初の中国本土系国会議員となった。同氏はトロント大学の出身で、中国学生学者聯誼会の主席を2期務めた。他にも譚氏はトロント華僑総会副主席や在カナダ中国人専門家協会の副会長などを務めた。
ニュージーランドのカンタベリー大学教授であるAnne-Marie Brady氏によると、中国学生学者聯誼会は「中国共産党当局が短期留学や短期滞在する学生と研究者をコントロールする主要な手段である」。中国学生学者聯誼会のホームページには、中国大使館の支持のもと成立した旨の記述がある。
譚氏の不適切な行為
カナダ大手紙「The Globe and Mail」によると、譚氏は詐欺の容疑がある中国の企業家・龔曉華氏のためにロビー活動を行った。龔曉華氏には、詐欺、資金洗浄、文書偽造等の容疑がかかっている。譚氏はまた、他の中国企業家の旅行接待も受けていた。
譚氏は龔曉華氏のためにロビー活動を行なっていた時、自ら私的な書簡を在中国カナダ大使館幹部に渡した。国会議員Peter Kent氏は、譚氏の行為は著しく不適切であり、資金提供者のために便宜を図った疑いを免れないと指摘した。
「The Globe and Mail」によると、龔曉華氏は2017年末に逮捕されるまで、自由党に計7000カナダドルの献金を行い、餃子パーティでトルドー首相と写真を撮っていた。
(翻訳・文亮)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。