兵庫県神戸市の百貨店・大丸須磨店は7月末に開催予定されていたイベントで、防衛省は自衛隊の車両展示を計画していたが、日本共産党との繋がりが深い組織による申し入れにより、中止を決定した。座り込みやデモなどの抗議運動の展開が予想され、来客や周辺トラブルの回避と安全配慮のためだという。
イベント停止を申し入れたのは、日本共産党との繋がりが深い「新日本婦人の会」の会員ら。同会の兵庫県本部は26日、ツイッター公式アカウントで「百貨店は子どもから高齢者まで利用するため、自衛隊のイベントへの出展は主旨にそぐわない」と主張し、10人ほどでイベント中止を申し入れたと明かした。
大丸須磨店によると、同百貨店が7月末に開催を予定した「夏休みパラダイスin須磨」の一部イベントである、防衛省および自衛隊の車両展示企画が盛り込まれたチラシを公開後、抗議の電話が数十件かかってきたという。開催すれば、抗議者らによる百貨店周辺での座り込みやデモなどの抗議が予想されたため、トラブルや来店客への迷惑回避のため、やむを得ず中止を決定した。
神戸市の上畠寛弘議員と岡田ゆうじ議員は27日、大丸松坂屋百貨店代表取締役社長と、大丸須磨店店長あてへの要望として、「不当な圧力に屈することなく、貴店自身が企画したイベントを自信を持って開催してほしい」とし、機会を見て改めて開催するよう申し入れた。大丸須磨店側は店長代理が両議員の要望書を受け取った。
本日、同僚の #上畠寛弘 議員(東灘区)と共に店長代理様を訪ね、今後二度とこのようなことが起こらないよう、私達も全力で安全確保、支援・サポートする旨申し上げ、要望書もお渡ししました。神戸市民と企業の自由を、全力で守って参ります pic.twitter.com/I71QuaIb6J
— 神戸市会議員 岡田ゆうじ (@okada_tarumi) July 28, 2019
インターネット上では、自衛隊関連のイベント開催が中止されたことを残念だとする声が相次ぎ多数寄せられた。また、中止申し入れの行為自体への批判も多い。「子どもたちの知る権利を奪うのが楽しいか」「震災でどれほど自衛隊にお世話になっているだろうか。恩知らずだ」などの批判的なコメントが、新日本婦人の会神戸本部のツイッターに5700件ほど書き込まれた。
1962年に創立した新日本婦人の会会長は、日本共産党の笠井亮・衆議院議員の妻、笠井貴美代氏。会の公式ホームページによると、従軍慰安婦の運動を支える韓国左翼系団体と連携して、日本政府に賠償を求める運動を国際的に展開している。また、沖縄県辺野古や高江における反米基地運動や、安倍政権退陣要求のためのプラカードやテンプレートデータを配布している。
佐藤正久・参議院議員がSNSで、自衛隊の出展が中止されたことについて「悲しいニュース」「国民から自衛隊を遠ざけるのではなく、知ってもらうことが極めて大事だ」と書いた。このコメントは2.7万リツイート、4.6万のいいねを付けた。
(文・佐渡道世)
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