[東京 9日 ロイター] – 法務省出入国在留管理庁の佐々木聖子長官は9日、都内で会見し、4月に創設された在留資格「特定技能」制度の利用状況について「若干、様子見という印象」としながらも、「関心を持っている人は非常に多く、広がりを持っていると感じる」と述べた。
特定技能制度は、労働力不足に対応し、新たな外国人労働者を受け入れるために創設された制度。「移民政策はとらない」としてきた安倍晋三首相が初めて本格的な外国人労働者の受け入れにかじを切った。
佐々木長官によると、特定技能で働く外国人労働者を企業に紹介するなどして支援する「登録支援機関」は、8月末までに1986件が登録された。
過去に技能実習で日本に滞在した人を含め、新たな制度で日本に来ることを許可されたのは119人、すでに日本にいて在留資格変更が許可されたのは86人だった。また、技能実習生がそのまま新制度に移行する手続き中であるため、特定活動の在留資格を与えられたケースが684件だった。
同長官は、日本外国特派員協会の会見で「これから申請がますます増加する見込みで、適切かつ迅速な審査を行っていきたい」と述べた。
一方、会見では入国管理庁の収容施設における医療制度の不備に関する質問が複数出た。入管収容施設では6月にも長崎県で被収容者のナイジェリア人男性が死亡、茨城県牛久の施設で長期収容に抗議してハンガーストライキが行われるなど、処遇の改善を求める声がたびたび上がっている。
佐々木長官は収容所の医療について現在の態勢が十分ではないことを認め「さらなる充実を図らなければならない」と答えた。
具体的には、施設に常勤する医師の確保に難しさがあるとし、外部医師の訪問態勢の強化や、受け入れ病院の開拓などに努力したいと話した。
(宮崎亜巳)
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